気合の丸刈り会見だった。マリナーズからFAとなり、古巣オリックスに4年ぶりに復帰した平野佳寿投手(36)が10日、宮崎市内のホテルで入団会見に臨んだ。思いの強さを表すかのように、日米通算164セーブの右腕は、丸刈り姿で壇上に登場した。

「日本でプレーできることが楽しみ。ワクワクしています。オリックスの力になりたい。まだまだ、若い子に負けない。オジサンも頑張ってるってところを見てもらいたい」

契約は単年。メジャー復帰の可能性を問われると「今は全く考えてないですね。1年1年、ここからは勝負になってくる」。背番号は慣れ親しんだ「16」。推定年俸1億5000万円プラス出来高で「勝ち癖をつけることが大事。勝つことだけ考えてやっていきたい」と力を込めた。

3年間のメジャー生活中も、心のどこかで古巣を気にしていた。「試合結果は毎日、チェックしていました。若い子がすごく育ってきているの見ていたし、明日から一緒に練習して、野球ができるのが楽しみ」と、11日から宮崎春季キャンプに合流する。9日にはブルペン投球で調整しており「今まで通りの仕上がり」。状態に問題はない。

楽天には田中将が復帰。同じタイミングでの日本球界復帰となったが「僕なんて田中くんに比べたらまだまだ全然です。平野も『ついで』に帰ってきたくらいに。そのくらい気楽にやらせてもらえれば」と笑った。

大きな期待を背負う男は、感謝の思いも言葉に乗せた。「コロナ禍で厳しい状況の中、快く迎えてくれた球団に感謝してます。それには優勝でしか返せない。本当に優勝目指して、体がボロボロになるまでオリックスのために頑張りたいと思います」。オリックス愛を貫いた決断だった。【真柴健】

▽オリックス福良GM「決断してくれて、チームとして助かります。若い投手が多いだけに、経験実績、人間的なものを見て若い選手も同じように成長していける。ブルペンをまとめる力もあるし、リーダーシップがある」

◆平野佳寿(ひらの・よしひさ)1984年(昭59)3月8日生まれ、京都府出身。鳥羽から京産大を経て、05年大学・社会人ドラフト希望枠でオリックス入団。5年目の10年から救援に本格転向。13年に通算100ホールド到達。14年の40セーブは当時パ・リーグ新記録だった。16年に通算100セーブ達成。17年オフにFA宣言しダイヤモンドバックス入団。昨季はマリナーズに在籍していた。185センチ、83キロ。右投げ右打ち。

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