「カーブの武田」復活だ! ソフトバンク武田翔太投手(27)が25日、ロッテとの練習試合に先発し3回1安打無失点の好投。新人だった12年に8勝を挙げるなど、代名詞とされたカーブを多投しロッテ打線を翻弄(ほんろう)した。背番号「18」を背負う右腕が、原点回帰で2年ぶりの開幕ローテーション入りを狙う。

   ◇   ◇   ◇

ドロンと独特の軌道で大きく曲がる、武田らしいカーブが帰ってきた。際立ったのは2回2死、相手打者菅野の場面だ。1ストライクからカーブが2球続けてボールになると、さらにカーブを続けた。低めに決まる1球でタイミングを外し、しっかり一ゴロに打ち取った。「カーブは自分の生命線なので」。本来の武器に原点回帰し、3回を投げて1安打無失点の快投。「全体的に良かったかなと思います」と満足そうに振り返った。

この日は31球を投じ、変化球12球のうち11球がカーブだった。14年日本シリーズでは阪神相手に好投。15、16年は2桁勝利を挙げた。だが以降は4年で17勝。「最近はカーブが入らなくて、真っすぐ、スライダーに頼って力押しみたいな感じだった」。球速アップを求める余り、投球全体に力みがあったという。

オフに筋力アップを図り、出力を抑えても従来に近い直球を投げられるようになった。投球から力みも抜けて、カーブがよみがえった。「イメージは全然違う。あの頃のようには無理なので。体のつくりも違う」と、21年型のカーブを武器に、輝きを取り戻すつもりだ。

千賀と東浜が故障で出遅れている状況で、武田の姿に喜んだのは工藤監督だ。「うれしいです。ただでさえ2人いないのに。ああいう投球をしてくれるのは何よりですね。また先が少し明るくなって見えてくるかなと思います」。2年ぶり開幕ローテーション入りにまた1歩近づいた。【山本大地】