広島森下暢仁投手(23)が、5回を自己ワーストタイ5失点で今季初黒星を喫した。前日13日が雨天中止で、プロ初のスライド登板で阪神戦に先発。2回に今季初失点を許すと、4回にドラフト1位佐藤輝、5回はマルテと2ランを2本浴びた。阪神には昨年から負けなしの4連勝だったが、小休止。打線も振るわず、チームは2試合連続のゼロ封負けで2位から一気に4位まで転落した。

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甲子園のマウンドに本来の森下の姿はなかった。2回だ。田中広の失策もあり、2死一、二塁のピンチから、阪神ドラフト6位中野に右前への適時打を浴びて先制点を献上。今季17イニング目にして初失点を許すと、4回には佐藤輝に2ラン、5回にもマルテに2ランを浴び、自己ワーストに並ぶ5失点で降板した。

「甘い球をしっかり打たれました。ストライクとボールがはっきりしている中で、ストライクから相手打線に捉えられてしまった」

持ち前の制球力が乱れた。カーブが打者の手前でバウンドする場面が目立つなど、終始コントロールの精彩を欠いた。「試合の中でしっかり修正できなかった。それは反省です」。前回3月30日の阪神戦で2三振を奪っていた佐藤輝には、4回無死一塁から真ん中付近に甘く入ったカーブを捉えられ、右翼席まで運ばれた。「相手にしっかり打たれました。次は抑えたい」と切り替えた。

阪神戦では昨年から無傷の4連勝を飾っていたが、この日はキラーぶりを発揮できず初黒星が付いた。佐々岡監督は「中に入ってくるボールが多くて、シュート回転していたし、カーブもいつもの軌道ではなかった。コントロール、四球絡みの失点でらしくない投球だった」と頭を悩ませた。

昨季の新人王右腕は侍ジャパンの先発候補に挙げられている。この日は日本代表の建山投手コーチが予定を変更して視察に訪れる中、本来の力を発揮することはできなかった。森下は「2回続けてこういうことがあっては絶対いけない。しっかり反省して次は抑えたいと思います」とリベンジを誓った。チームは連敗で、2位から4位まで転落。東京五輪開幕100日前となった日に、悔しさを残した。【古財稜明】

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