チェンよ、鬼門に苦しむ虎を救ってくれ~。阪神は中日に2連敗で2位巨人に1ゲーム差に迫られた。今季の快進撃がウソのように、竜の敵地で昨年から7連敗。29日には新戦力チェン・ウェイン投手(35)が古巣相手に移籍初先発。中日時代にはバンテリンドームで18勝7敗と高い勝率を誇った。慣れ親しんだマウンドで、NPB公式戦では、11年10月2日阪神戦(甲子園)以来3497日ぶりの勝利を目指す。

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やはり鬼門なのか…。阪神が昨季からバンテリンドームで7連敗を喫した。18年から3年連続で負け越している竜の敵地で2戦2敗。コーチ会議を終えた矢野監督は悔しさを押し殺すように話した。「そんなチャンスも作れなかったしな。ボール(球)を振りすぎたかな。そこの見極めが相手有利にしてしまったかなという感じかな」。前日27日の大野雄に引き続き、3年目勝野も打てない。28イニング適時打なく、2試合連続の1得点。あれだけ打ちまくった猛虎が名古屋では猫になってしまう。

阪神ファンから思わずため息が漏れた。初回から3者凡退に抑えられると、攻撃の糸口がつかめない。力のある直球と低めに決まるフォークにてこずり、昨季は3度も土を付けた右腕に7回途中まで無得点。8回には中継ぎを攻め立ててマルテの犠飛で1点を奪ったが、1死一、三塁からサンズが痛恨の遊ゴロ併殺。終盤に訪れた最大のチャンスも、ものにすることは出来なかった。

誰か負の連鎖を断ち切ってくれ! その期待を一身に背負うのは、29日に3戦目の先発マウンドに上がるチェンだ。タテジマデビュー戦となる助っ人左腕は、かつて同ドームで通算18勝7敗と勝ちまくった。落合監督が率いる常勝軍団のなかで左の柱として君臨。投手王国の象徴だった。勝手知ったるわが家に帰ってきた男が、白星となれば日本球界では11年10月2日阪神戦(甲子園)以来、3497日ぶり。目が離せない注目のマウンドになる。

指揮官は一丸でチェンをアシストすると誓った。「もちろん知らん球場じゃないし、長くやった球場だから全然心配していない。そこには打線の援護とか、チーム全体でチェンを援護してやらないとダメなんで。チェンはチェンらしく投げてくれればいい。明日は早い回に点取って、チェンをいい形で投げさせてあげたい」。開幕から積み上げた貯金は「9」と1桁になった。この日、ヤクルトを破った2位巨人が1ゲーム差に迫る。ここで踏みとどまれるか-。虎の鬼門で無類の強さを誇った左腕に大きな期待がかかる。【桝井聡】

▼阪神はバンテリンドーム(昨季までナゴヤドーム)での中日戦で、20年9月19日から7連敗となった。同球場での7連敗以上は、11年8月31日から12年9月7日まで9連敗(2分け挟む)して以来。なお最長は13連敗で、99年7月9日~00年7月13日に記録。

◆11年10月2日阪神-中日戦(甲子園) 中日先発のチェンは、初回2死から鳥谷、新井貴に連打されたがマートンを抑えて波に乗る。2回から4回まで3人ずつで片付ける快投。7イニングを投げ5安打無失点の好投で降板した。救援の3投手が2点を失ったものの、味方打線が効果的に挙げた7点を守った。チェンのこの年8勝目は、現時点でのNPB最新の勝利である。

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