DeNAのエース今永昇太投手(27)の復帰登板は、ほろ苦いものとなった。昨年8月15日以来281日ぶりの1軍登板。ストッキングを膝下まで上げたオールドスタイルで、帽子を取って目をつぶってからマウンドに上がった。

初球は143キロの真っすぐ。塩見に左前打された。続く中村に2球目を右中間二塁打された。わずか3球で失点した。いずれも143キロの直球。バックアップで本塁打の後ろに走ると、首をひねった。その後も連続四球、併殺崩れや適時打など打者一巡で3失点した。腕が横振りになっていた。

2回のマウンドに上がる前は、再び帽子を取った。2球ほどステップしながら投球練習し、球速が146キロまで上がった。2回は3者凡退に抑えたが、3回にオスナ、5回に村上に本塁打を浴びるなど5回途中93球で7安打6失点KOされた。

6三振を奪ったが「初回先制してもらい、良い流れでマウンドに上がれましたが良い球と悪い球がはっきりしていて、甘く入った球を打たれて、ランナーを出してからも、粘ることが出来ず、逆転を許す投球になってしまいました。次回登板では先発として、しっかりとゲームメークできるようにしたいと思います」と悔しそうな表情で振り返った。

昨年10月に左肩のクリーニング手術を受けた。「元に戻るより、しっかり技術も心もパワーアップしないと、けがした意味がない」。回転数や回転効率を上げてきた。2軍で5試合に登板し、防御率1・32と結果を残していた。だが、1軍で初戦から結果を残すことはできなかった。

三浦大輔監督は「初登板ということもあり、立ち上がり打たれてペースをつかめずに苦しんだかなと思う。2回以降は間合いを詰めて、テンポよくとバッテリーで工夫して、修正しながら投げているのは見えた。今永にしては逆球や引っかけが多かったかなと思う」と話した。

一昨年のプレミア12で活躍した今永の復帰登板を見ようと、侍ジャパンの稲葉監督がネット裏から見守った。「ジャパンに対する思いが強いのでこちらとしては大事にしている部分。見に来ることで少し緊張感や、ジャパンに対するいい緊張感の中で投げてほしいのもあった。ケガ明けなので、とにかく再発しないように、これからの野球人生を考えて。投げられることが大事なので、そこも含めてコーチと話していく」と話した。

今後の登板は未定。24日に登板後の状態を確認した後、次回登板を決める。

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