桐蔭横浜大が2季連続13回目の優勝を決めた。全日本大学野球選手権(6月7日開幕、神宮、東京ドーム)に出場する。

21安打10得点で打ち合いを制した。4回裏が勝負の分かれ目だった。3回までに3点を先制しながら、4回表に追い付かれた。直後の攻撃で、先頭の9番岸本がセーフティー内野安打で出塁。ここで、斉藤博久監督(55)は送りバントを選ばなかった。1番金井が2ボールからの3球目でエンドラン。左前打で無死一、三塁と好機を広げた。さらに安打が続き、5連打で3点を勝ち越した。

斉藤監督は「金井のエンドランが全て。プレーオフの前、バスターエンドランやエンドランの練習をやってきた。奇襲じゃないけど、どこかでやれたらという話はしていた。選手が一発回答してくれた」と、畳み掛ける攻撃を評価した。昨秋の優勝メンバーは4年生が中心だった。代替わりしても勝ったことに「リーグ戦の経験は、ほとんどない子たちが頑張って優勝を勝ち取った。うれしい」と笑顔だった。

今春リーグ戦の最優秀選手賞には、4番の吉田賢吾捕手(3年=横浜商大高)が選ばれた。この日も4安打3打点の活躍。チームでは数少ない旧チームからのレギュラーで、昨年は5番を打った。今年は、渡部健人内野手(現西武)から4番を引き継いだ。「健人さんとはタイプが違います。派手なホームランを打つバッターではありません。でも(渡部のような)打席での集中力、1球で仕留める能力を目標にしています」と先輩の背中を追う。

全日本大学野球選手権は、初戦で国際武道大と対戦する。「全国大会でも、自分たちがやって来たことを変えることはありません。凡退した打席の内容が良くない。全国大会までに調整して、成長できるようにしたい」と決意を口にした。