ロッテのサイドスロー右腕・横山陸人投手(19)が1軍デビューした。6回裏に登板し、1安打無失点。

「ホッとした気持ちがまずはあります。デビューしたこともそうですし、無失点で抑えられたということも自分の中ではすごく良かったなと思っています」と振り返った。

0-3の6回だった。先発岩下の2番手として、あこがれの場所に向かった。「緊張しててあまり覚えてないんですけど…」。捕手佐藤都としっかり打ち合わせて、一度きりのデビュー戦に臨んだ。

相手はいきなり阪神の4番大山。初球は外れたが、2球目の高め149キロは大山を空振りさせた。捕邪飛に打ち取ると、5番サンズも147キロで押し込んで中飛に。6番佐藤輝には右中間二塁打を打たれたが、7番梅野は一ゴロで無失点で切り抜けた。梅野からも高め直球で空振りを奪った。

「自分の球が1軍の中軸にどれだけ通じるかっていうのを試すというか、挑戦できたので、自分の中ではすごくいい経験になったかなって思います」

サイドスローから平均約147・5キロの直球で押し込んだ。ボール球は全15球中3球のみで、乱れることもなかった。井口監督も「非常にいいボールを投げていましたし、また次、楽しみです」とたたえた。

専大松戸(千葉)時代も関東屈指の投手として注目されたが、甲子園出場には縁がなかった。「人生で1回は投げてみたい場所だったので、投げられてすごく良かったです」。佐々木朗と同じ19年ドラフトで、横山は4位指名で入団。最速163キロを誇る同期が注目される中、横山もプロ1年目にしっかり鍛え上げ、現在はサイドスローから最速で153キロを投げるまでに成長した。

試合は2-3で惜敗したが、横山の力強いデビューは、27日に甲子園デビューを控える佐々木朗にも勢いをつけた。近未来のセットアッパー候補は「勝ちパターンで投げさせてもらえる投手を目指して頑張ります」と堂々と口にした。甲子園に届かなかった若者が、甲子園からプロ野球人生を歩み出した。【金子真仁】