ヤクルト石川雅規投手(41)が、大卒投手として史上初の20年連続勝利を達成した。4月16日阪神戦(甲子園)以来、今季2登板目で初の神宮マウンド。130キロ台前半の直球と変化球を織り交ぜ、コーナーを丁寧に突く投球で、西武打線を5回3安打1失点でまとめた。5回裏攻撃中に、降雨による中断を挟み、そのままコールドゲームとなり、通算174勝目を手にした。

オープン戦では2試合に登板し、防御率30・86と絶不調。開幕2軍スタートとなった。それでも2軍では7試合で防御率0・32と圧倒。「もっと1軍で投げたい、1軍で勝ちたいという思いは強くなりました」と結果に飢えた。前回登板から約1カ月半。待望の1軍マウンドで、「なんとかこのチャンスをしっかりとつかみ取れるようにしたい」と意気込んだ。打席では、3打席連続で初球犠打に成功。打線を陰で支え、投球以外にも老練さを見せた。チームは試合前時点で24勝21敗7分けで3位の好位置につけるものの、最近は先発投手が6回を投げきれない試合が続く。苦しい投手事情をかかえる中での1勝。ベテラン左腕が、後輩たちを救った。

▼41歳4カ月の石川が今季初勝利を挙げ、プロ1年目から20年連続勝利。プロ1年目から20年以上続けて勝利は66~85年鈴木啓(近鉄)以来、36年ぶり7人目。セ・リーグでは50~69年金田(巨人)に次ぐ2人目、左腕では4人目のタイ記録となった。また、大卒投手の20年連続勝利は79~97年鹿取(西武)の19年を抜き、「プロ1年目から」の条件を外しても石川が史上初めて。

▼石川の完投は15年4月25日巨人戦での完封勝利以来6年ぶりで、同年5月に始まった連続先発途中降板のプロ野球記録を124で止めた。従来の記録は06~13年藤井(DeNA)の107試合で、石川は19年に更新していた。なお、40代投手の完投は球団初で、41歳4カ月での白星は、92年8月16日新浦の41歳3カ月を抜く球団最年長勝利。