全日本大学野球選手権(7日開幕、神宮ほか)で、30年ぶり出場の北海学園大(札幌学生)は、7日の1回戦、福井工大(北陸)戦で42年ぶりの勝利を目指す。主将の鈴木大和中堅手(4年=北海)は、50メートル5秒8を誇る走攻守3拍子そろったプロ注目の快足外野手。16年夏の甲子園準優勝に貢献した巧打に、俊足を生かした走塁と守備でチームに流れを呼び込む。東農大北海道(北海道学生)は2回戦から登場する。

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北海学園大・鈴木大主将が、自身4年ぶりの全国舞台に気持ちを高ぶらせた。北海では2、3年夏の甲子園に出場。大学では1年からリーグ戦出場も、全国大会には縁がなかった。最終学年でつかんだひのき舞台だ。「チームのために勝利に貢献したい。北海学園大にとっては久しぶりの全国だが、自分には初めて。打撃、守備、走塁といずれも全力を出し切りたい」と意気込んだ。

札幌6大学リーグ戦での汚名返上を目指す。コロナ禍で途中打ち切りになった今春、チームは09年秋以来の優勝も、3番打者として17打数1安打に終わった。打率4割1分2厘で最高殊勲選手賞の8番打者、成田智貴二塁手(4年=東海大札幌)や、防御率1・32の最優秀投手賞、帯川瑠生(2年=札幌国際情報)の活躍に助けられた。鈴木大はリーダーとして「全国では精神面でも技術面でも引っ張らないと」と気を引き締めた。

目標のプロ入りへ、ステップにする。DeNA阪口が北海の同期。「仲間の活躍が刺激。自分も上でやってみたい。そのために全国大会で存在を示さないと」。巧打や中堅での広い守備範囲が売り。今季プロ入りした西武若林とは、小学時代に道内公式戦で対戦経験があり、当時投手だった若林から安打を放ったこともある。「自分も将来、足を生かした選手になれたら」と思い描いた。

高校時代の仲間と対戦する可能性もある。桜美林大(首都)に多間隼介投手(4年)、富士大(北東北)に佐藤大雅捕手(4年)がいる。佐藤からはリーグ優勝時に「すごいね、30年ぶり」と連絡が届き、多間ともメールをかわし「互いに頑張ろう」と誓い合った。鈴木大は「対戦するためにも勝ち上がらないと」。戦友との対決を目指し、勝利を重ねる。【永野高輔】

◆鈴木大和(すずき・やまと)1999年(平11)4月27日、北広島市生まれ。北広島大曲東小2年時に北広島イーストグローリーで野球を始める。北広島大曲中では札幌豊平ボーイズに所属し、3年時に遊撃手で全日本中学選手権16強。北海では中堅手で2、3年夏の甲子園出場。2年夏は9番で全5試合に出場し27打数14安打、5割1分9厘で全国準優勝に貢献。北海学園大では1年春のリーグ戦から出場。2年春、3年秋にベストナイン。家族は両親と兄。173センチ、73キロ。右投げ右打ち。