優勝候補が初戦で消えた。5大会連続35度目出場の東北福祉大(仙台6大学)が共栄大(東京新大学)に5-9で初戦敗退した。先発の三浦瑞樹投手(4年=盛岡大付)が2回4失点で降板し、序盤から継投策に。同点に追いついた直後の5回に4点を勝ち越され、最後まで重くのしかかった。8回から5番手で登板したドラフト候補の最速154キロ右腕・椋木蓮(4年=高川学園)は2回1失点だった。東北勢は富士大(北東北)が9日、国学院大(東都)との2回戦に臨む。

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東北の大学野球をけん引する東北福祉大が、初戦で敗れた。5点差の9回2死一、二塁。3番大里昂生内野手(4年=盛岡大付)が3安打猛打賞となる右前適時打で意地を見せたが、続く小椋元太内野手(4年=一関学院)の空振り三振で試合終了。18年以来4度目の優勝を目指した選手権が終わった。大塚光二監督(53)は「全国に連れてきてもらったので、本当にのびのびやらせてあげたかった」と苦い表情を見せた。

屈指の投手陣が本来の投球で引っ張れなかった。先発左腕の三浦は、今春のリーグ戦で20イニング連続無失点で防御率は0・00。最優秀投手賞も受賞し、大塚監督も「一番安定しているのが三浦だった。相手打線にも左打者が6人入っていたので」と期待してマウンドに送り出した。だが制球が安定せず、2回の先頭打者に真ん中直球を右中間席に運ばれ、今季初失点。以降は適時三塁失策なども絡み計4失点し、先発の役目を果たせなかった。

打線は失点後の2イニングで4得点し、一時は試合を振り出しに戻して逆転ムードを作った。それでも、直後の5回に押し出し四死球と2点適時打で勝ち越され、流れを再び相手に渡した。終盤には2度得点圏に走者を進めたが無得点に終わり、指揮官は「結果的には5-9ですけど、お互いにチャンスがありながら、そこで一打が出なかったか、出たかの差だと思います」と敗因を語った。

チームは今後、今秋に行われる明治神宮大会出場を目指す。実現にはリーグ戦、さらに北東北、南東北大学の王者と争う東北地区代表決定戦を突破しなければならない。悔しさを忘れずに、チーム一丸で全国制覇への挑戦権を勝ち取る。【相沢孔志】