阪神ドラフト2位ルーキー伊藤将司投手(24)が、楽天田中将大投手(32)との「将(まさ)」対決に投げ勝ち、4勝目を挙げた。

   ◇   ◇   ◇

勝利の陰に“名コーチ”がいた。伊藤将の父・正宏さん(52)は、息子の不調の原因を見抜いていた。

「変化球の時に、腕の振りが緩くなってないか?」

5日のソフトバンク戦後にLINEを送ると、すぐ電話が来た。プロに入って、息子の方から電話が来たの初めてのこと。5月8日DeNA戦で無傷の3勝目を挙げてから3連敗。悩める胸中を察した。「普段あっけらかんとしている性格ですけど。相当混乱していましたね」。久々の会話の中で伝えたことは「思い切っていけよ」。小学生時から最も近くで投球を見守り、現在も地元の少年野球チームでコーチを務める父の眼力は衰えていない。短い言葉だったが、息子の復調へ大きな後押しとなった。

田中将に投げ勝った姿を「いやあ、すごいですよ」とたたえた。13日は伊藤将の中学の2学年後輩、早川が先発。「早川君にも勝ってほしいけど…。やっぱり今は阪神に勝ってほしいね」。父はいつでも息子の味方だ。【阪神担当=中野椋】