阪神が驚異の集中打で連敗を「3」で止めた。3年間チームを率いた野村克也氏の追悼試合で、教え子の矢野燿大監督(52)が打線のてこ入れに着手。今季初めて4番で起用したジェリー・サンズ外野手(33)のタイムリーなどで、2回に5者連続適時打を含む7連打で5得点。試合をひっくり返し、亡き名将に甲子園で白星をささげた。

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【野村克也氏追悼試合アラカルト】

阪神ヤクルト10回戦(甲子園)は両球団で監督を務め、昨年2月に84歳で亡くなった野村克也氏の追悼試合として行われた。

◆球場周辺 球場の旗はすべて半旗。球場正面には「野村克也 生涯一捕手」と文字が書かれた阪神監督時代の写真が飾られた。球場6号門付近のメモリアルウォール、イニング間のビジョンには「私の野村ノート」として野村氏と縁のある阪神OBたちが感銘を受けた言葉を掲出。駅前広場には阪神監督時代の背番号「82」「73」の街灯バナーが設置された。

◆入場者プレゼント 入場者全員に野村監督の名言が冒頭ページに入った「野村ノート」が配布された。

◆追悼セレモニー 息子の楽天野村克則育成捕手コーチ(47)がビデオメッセージで登場。「残念ながら父が在籍していた3年間は最下位という不名誉な結果でしたが、チームの基盤であるとかを父がいろんなものを残したと思っています。今は空の上で母と2人でゆっくりぼやきながら野球を観戦していると思います」と話した。VTRで南海での現役から楽天監督時代までを振り返った。巨人戦で新庄が敬遠の球をサヨナラ安打にする場面も流れた。

◆始球式 孫で日大野球部の野村忠克さん(19)が登場。「緊張しました。偉大な祖父だったので、祖父に思いが届くように」と打席のヤクルト塩見の内角へ、ショートバウンドながらも力強く投げ込んだ。

◆プロデュース 阪神で3年、楽天で4年、野村監督の専属広報を務めた嶌村聡球団本部長(53)は、この日の開催へ向け力を注いできた。「まず天気が、開催できてよかった。いろいろ意見を出させていただきながら、させてもらった。今、前半戦でこういう戦い方を見せられるというのは、私個人としてはうれしく思っています」と感慨深げだった。

◆前回 3月28日、神宮での同カードでヤクルト主催として追悼試合を開催。先発ガンケルが6回無失点と好投。打線もマルテ、サンズのアベック弾が飛び出し、8-2で開幕3連勝。この日は全員が背番号「73」のユニホームを着用した。