ロッテ藤原恭大外野手(21)が名センターへの道を着実に進んでいる。

6回無死一塁。東妻のスライダーを捉えた中日ビシエドの打球は、中堅方面へ力強く伸びていった。藤原も「けっこうシュートしていったので」と、S字までとはいかずとも途中から角度を変えての背走に。それでも最後はフェンスに向き合いながらも、白球をもぎ捕った。

「けっこう難しかったんですけど、捕るのは昔からけっこう得意なんで、追いついてしまえば。球際が強いところが自分の持ち味だと思っているので」

一塁走者の代走高松はすでに三塁近くにまで達していた。戻れるはずもなく、藤原の送球が二塁中村奨のところに返ってきた時も、高松はまだ二塁にさえ戻れずにいた。

和田らとともに、シーズン中から大塚1軍外野守備走塁コーチらの特訓を受けている。前へ後ろへ左右へ。「基本はやっぱり1歩目だと思っているので」。この日は4回にも背走キャッチに成功し、7月27日の阪神戦(甲子園)でも左中間の低いライナーを見事にダイビングキャッチ。ベルトが切れるほどの衝撃だったが、阪神ファンからも拍手喝采のプレーだった。

「手前のライナーだったり、上がる打球というよりは低い打球への1歩目がまだまだ遅いので、そこはもっとやらないといけないと思います」

フォームが崩れ気味で「いまいちパッとしないですね」と苦笑いする打撃でも、連日しっかりと安打は放っている。「後半戦は最初から最後まで出ることを意識してやっていきたいと思います」。エキシビションは残り3試合。藤原がさらなる活躍を誓う緊迫のペナントレースは、9日後に再開する。【金子真仁】