広島の守護神栗林良吏投手(25)が、後半戦初戦からフル回転で臨むことを誓った。12日、侍ジャパンとしてともに東京五輪に出場した菊池涼、森下とともにチームに合流。マツダスタジアムの室内練習場で行われた全体練習に参加し、13日阪神戦(京セラドーム大阪)へ向け調整した。侍のクローザーとして金メダル獲得に大きく貢献した右腕が、今度はチームの上位進出へ全力で腕を振り抜く。

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栗林の心はすでに「侍」から「広島」に切り替わっていた。練習前に首脳陣、チームメートから「おめでとう」と、金メダル獲得の祝福を受けた。練習が始まると、引き締まった表情で、大量の汗を流した。13日阪神戦から始まる後半戦へ準備を整えた。「オリンピックはオリンピックで集中しましたし、後半戦は後半戦でしっかり集中したいなと思います」と力を込めた。

東京五輪でも守護神として大車輪の活躍をみせた。全5試合に登板し、2勝3セーブ。大会期間中については「社会人の『1試合負けたら終わり』というのは、すごく生きた。負けたら日程がきつくなるとかも、都市対抗の予選に似ているのかなと思った」と振り返った。後半戦へは「シーズンを通してよりも、1戦1戦100%の力を出して、勝利に貢献するのが一番大事」と、あらためて全力投球を貫く姿勢を示した。

侍ジャパンではソフトバンク千賀から金言を授かった。これまで栗林は疲労をためないために、シーズン中の練習は「こなす」イメージだったというが、千賀からは「これからの野球人生を考えて、シーズン関係なく、しっかり毎日追い込んで、意識高く持ってやる方がいいんじゃないかな」と助言をもらった。右腕は「それにしようと思いました。学んだことを生かしていきたい」と意気込んだ。

佐々岡監督は栗林の起用について「疲れはあるんでしょうけど、本人も『明日から行けます』と言っている。(初戦から)スタンバイしてもらいます」と説明した。栗林は「しっかり借金を返済して上位に食い込んでいけたら。自分も1つのピースとして、全力で戦っていきたい」と気合。絶対的守護神として、チームを上位に押し上げる。【古財稜明】

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