広島森下暢仁投手(24)が8回2失点と好投するも、後半戦初勝利はならなかった。7回まで3安打無失点だったが、2点リードの8回に暗転。1死から4連打を浴びて同点に追いつかれた。直前には自身のバント失敗もあり、勝ちきれなかった責任を背負った。7月14日中日戦での6勝目以来、白星から遠ざかる。チームは2本のソロ本塁打による2得点で、今季11度目の引き分けに終わった。

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わずかな隙を、首位を争う燕打線につかまった。2点リードの8回。7回まで無失点投球の森下が4連打で2点を失った。球数100球目前、立ち上がりから低めに集めていた球が浮き始めた。わずかに制球を乱した99球目、101球目がヤクルトの代打攻勢による積極打法の餌食となり、一、二塁。さらにこの日いい当たりをされていた塩見、すでに2安打の青木に連続適時打を浴びた。勝ち越しは許さなかったものの、リードを守り切れずに後半戦初白星もこぼれ落ちた。

「今日は本当に勝てる試合で勝てなかったのは、本当に申し訳ないです」

登板6試合連続勝ち星なしという自身の結果よりも、リードした試合で勝ちきれなかった責任を口にした。失点した8回の直前には、無死二塁から転がしたバントが捕手の手前で止まり、三塁封殺となった。「バントを自分がミスをしてから、そういう雰囲気をつくってしまったところもある」。投球だけでなく、試合の流れを変えるバントミスを悔やんだ。

白星は得られなかったが、7回までは3安打無失点。4試合ぶりクオリティースタート達成となった。神宮、ヤクルトとの相性や可能性を残す2年連続2桁星に期待して中5日で送り出した佐々岡監督は「今日みたいな投球で自信を取り戻して次に向かって欲しい」と復調気配を感じている。森下自身「前回に比べたら全然、良かったです。全体的に良かったです」と手応えを口にする。ただ、笑顔はない。「次、しっかりやりたいと思います」。中5日で登板が予想される26日DeNA戦を見据えた。【前原淳】

▽広島菊池涼(5回、石原に続く14号ソロ)「打ったのはシュートかな。コイシ(石原)が流れを持ってきてくれました」

▽広島ケムナ(同点の9回に登板して無失点)「1球1球全力で行った結果が今日の投球になったかな。とにかく毎日必死な感じです。名前を呼ばれたからには結果を出したい」

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