名前を呼ばれた瞬間、亜大・岡留英貴投手(4年=沖縄尚学)はそっと目を閉じた。

「プロの世界にいけるんだという思いと、今まで支えてくれた人たちへの感謝が浮かびました」。阪神からの5巡目指名。長い待ち時間の緊張感から解放され、安堵(あんど)の笑みを浮かべた。

右横手から最速150キロを投げ込む右腕。プロの世界でも、引き続きタテジマのユニホームに縁があった。亜大では主に中継ぎとして登板しており「勝ちパターンの7、8、9回。そういうところで1年間しっかり投げて結果を残せる選手になりたい」と青写真を描く。4年間、大きなケガは1度もない。強い体と直球で押す力には自信がある。理想の投手像に西武平良、対戦したい打者には巨人坂本勇を挙げた。

阪神には亜大の先輩でもある高橋がいる。「主力でしっかり抑えている。プロでの抑え方、取り組んできたことを聞いてみたい」と“入門”に意欲を見せる。沖縄から上京し、今度は関西に本拠を移すことになる。街のイメージを問われると「関西の人なんで、みんなおもしろいのかな」と、ほんわか回答で会場を和ませた。しばし余韻に浸り、待ち望んだ勝負の世界に飛び込む。【鎌田良美】