5球投げ終えた怪物の体は、すでに悲鳴を上げていた。西武松坂大輔投手(41)は、引退試合を終え取材に応じると、体の状態について「大丈夫じゃないです(笑い)。ああいう状態でマウンドに立ちましたけど、本来立ってはいけないと思っていましたし、立てるような体の状態じゃないと自覚はしてましたので。ああいう姿でも投げるところを見せられて良かったと思います。ただその反動はもう来ています」と、笑顔交じりで振り返った。

先発し、球速は最高118キロ。5球すべて直球だった。2球目、外角低めに決まった球が唯一のストライク。「正直ブルペンから投げていてもストライクが入るかどうか心配だったので、せめてものあの1球のストライクというのは、最後の最後で野球の神様が取らせてくれたのかなと今思っています」と、渾身(こんしん)の5球だった。