今季限りで現役を引退する巨人野上亮磨投手(34)は、プロ通算13年間で58勝を挙げた。西武時代に2度の2ケタ勝利をマーク。12年シーズンから6年連続で100イニング以上を記録した。

プロ初勝利は、ルーキー時代の09年5月20日の中日戦でのリリーフ登板で手にした。クレバーな投球で白星を積み重ねた右腕。記念すべき1勝目も、持ち前の洞察力が光った。当時の記事から振り返る。

  ◇   ◇   ◇  ◇    

肝っ玉ルーキー野上が、プロ初勝利を挙げた。同点の8回から3イニングを3安打無失点に抑えた。最大のピンチだった10回1死一、三塁では、スクイズを併殺にとって流れを呼び込んだ。「構えが見えたので、ボールに思いきりスピンをかけた」と荒木雅博のバントを小フライにして、失敗を誘った。ウイニングボールは、ブルペンから全力ダッシュで探し回ってくれた星野智樹から受け取り「メッチャ、うれしいです」。失敗続きだった中継ぎ陣の意地もぶつけた初勝利だった。