慶大が今季最終戦で早大に引き分け、通算39度目の優勝を果たした。慶大の春秋連覇は91年以来30年ぶり。初回に3点を先制されたが、追加点を与えず、粘り腰で追いついた。今季4勝は早大の5勝より少なく、ポイントによる勝ち点は早大と並ぶが、5引き分けが効き、勝率で上回った。11月20日開幕の明神宮大会に出場する。6月の全日本大学選手権優勝とあわせ、年間4冠に挑む。

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慶大の負けない野球には、目立たないながら、控え選手の活躍があった。

この日、代打起用が2度あった。5回無死一、二塁の古川智也(3年=広島新庄)は犠打を決め、追撃の1点を導いた。7回2死一塁の若林将平(4年=履正社)は四球を選び、同点のホームを踏んだ。

今季は24度の代打起用があり、20打数9安打、3打点。打率4割5分は他校を圧倒した。明大2回戦(9月26日)の北村謙介(3年=東筑)は、9回2死無走者で代打本塁打を放ち、負けを消した。堀井監督がこう説明した。「春優勝のあと福井主将を中心に選手間で『チーム力の底上げが大事だ』とよく話し合っていた。その結果だと思います」。

慶大のチーム打率はリーグ3位の2割5分9厘だった。先発出場に限ると2割4分3厘。それを代打を含む途中出場選手が1分6厘引き上げた。【米谷輝昭】