プロ野球の発展に大きく貢献した野球人に贈られる「正力松太郎賞」の選考委員会が7日、都内で開かれ、特別賞に大谷翔平投手(27=エンゼルス)が選出された。特別賞は04年のイチロー(マリナーズ)、13年の田中将大(楽天)に続き3人目。受賞ラッシュの大谷は流行語大賞も含めると“13冠”となった。正力賞はヤクルトを20年ぶりの日本一に導いた高津臣吾監督(53)が選ばれた。東京五輪で侍ジャパン監督として金メダルを獲得した日本ハム稲葉篤紀GM(49)も大谷とともに特別賞を受賞した。

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侍ジャパン稲葉前監督も特別賞に名を連ねた。東京五輪で自国開催の重圧をはねのけ、5連勝で悲願の金メダルを勝ち取った。ソフトバンク王球団会長は「代表監督として4年間、12球団の戦いぶりを見て、新しい選手を組みながら戦って五輪に取り組んだ。そういう難しさを乗り越えて、優勝したことは、大変な功績」と称賛した。大谷とともに、副賞の300万円が贈られる。

侍ジャパンの指揮官は栗山新監督にバトンタッチされ、日本ハムGMとして新たなスタートを切った。「大変光栄に思います。私が侍ジャパン監督として関わらせていただいた、すべての選手、コーチ、スタッフ、サポートしていただいた皆様の結束力のたまものだと思っています。今後も、微力ではありますが、野球界発展のために尽力して参ります」とコメントした。

◆正力松太郎賞 日本のプロ野球の発展に功績を残した正力松太郎氏を記念し、1977年(昭52)に制定。プロ野球界に貢献した監督、コーチ、選手、審判員を対象に、選考委員が選出。受賞者の最多はソフトバンク工藤監督の5度。04年米大リーグのシーズン最多安打記録を更新したイチロー(マリナーズ)、13年に24勝0敗でチーム初優勝に貢献した田中将大(楽天)に特別賞が贈られた。賞金500万円。

◆選考委員 王貞治(ソフトバンク球団会長)杉下茂(野球評論家、解説者)中西太(同上)山本浩二(同上)門田隆将(ジャーナリスト)