来季4年目の広島島内颯太郎投手(25)が26日、開幕セットアッパー奪取へ意欲を示した。

今季は自己最多の51試合に登板し、チーム3位の15ホールドを記録。シーズン終盤の10月には「8回の男」に定着した。最速157キロを誇る右腕は「最後は栗林の前を任せてもらって、すごく僕の中で誇りに思った。来年もこのポジションでやりたいし、やらないといけない。開幕から任せてもらいたい」と強い決意をにじませた。

今季は課題の制球力が向上した。20年は38試合で28四球を許したが、今季は51試合で半減の14四球にとどめた。「一番大きかったのはチェンジアップ。変化球でカウントが取れるようになった」。20年までは変化球の制球が不安定で、自然と直球の割合が増えてしまっていた。「打者はゾーンの真っすぐ狙いでくる。ミートされる率が高くなると、僕も投げるのが怖くなるので、自然とコースを狙いだして、それが入らなくてボールになっていた」と振り返った。

チェンジアップは「原点回帰」で磨きをかけた。九州共立大時代から投げていたが、プロ入り後に握りを変えることに挑戦。しかしうまく操れなかったことから、「やっぱりこっちの方がいい」と、昨オフにシンカー気味に投げるという大学時代の握りと投げ方に戻し、新たに武器となった。落ち球は120キロ中盤のチェンジアップに、130キロ台後半のフォークも併せ持ち、打者を惑わす。

プロ野球新記録の50ホールドをマークした同学年のヤクルト清水に刺激を受ける。「成績が異次元。安定感もありますし、チームに相当信頼されている」とリスペクト。今オフの契約更改交渉では球団から「清水くんのような、島内に回せば勝てるという流れがあれば、チームも強くなる」と激励されたことを明かし、「それくらいの信頼をチームから得られる投手になりたい」と力を込めた。

昨季までは先発転向を志願していたが、今では中継ぎへのいちずな思いがある。「やりがいもありますし、もう中継ぎに気持ちがいっちゃってます」とニヤリ。「中継ぎの方が選手生命が短いと言われますけど、そこを何とか長くやれるように頑張ります」。リリーバーに専心し、定位置奪取へと突き進む。【古財稜明】