数々の新人記録を塗り替えたDeNA牧秀悟内野手(23)が、プロ2年目も球史の扉をこじ開ける。20日、先輩の大和との鹿児島・鹿屋市内での自主トレを公開。昨季は史上初の新人でのサイクル安打、セ・リーグ新人最多の35二塁打などを記録し、新人特別賞を受賞した。今季の目標には新人から2年連続の「打率3割」、プロ2年目での「100打点」を設定。ともに達成者は少なく、偉大な記録に挑戦する。

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同期への対抗心をちらっとのぞかせた。牧は報道陣から、阪神佐藤輝が今季の目標に「100本塁打」と口にしたことを振られ、「100発…、100発はやばいな」とつぶやきながら、「100打点はいきたいですね」と宣言した。佐藤輝が「10回」と話したお立ち台の回数にも「勝ちたいので。10回、もしくは11回」と笑顔で切り返した。

“ライバル”とは関係なく、今季の目標には「打率3割は打ち続けたいです」と掲げた。昨季は3厘差で首位打者を逃したが、打率3割1分4厘。新人から2年連続の3割超えは巨人長嶋ら5人目となる。2年目以内の100打点は71年の南海門田以来4人目。昨季は新人初のサイクル安打などで名を刻んだが、今季も記録への期待がかかる。

歴史への挑戦に向け、最良の師匠に弟子入りした。昨年末、プロ17年目を迎える先輩の大和にLINE(ライン)で自主トレの参加を志願。8日から始まった自主トレではシーズンを戦い抜く体作りをテーマに下半身の強化にも取り組み、体幹トレーニングの一環でキックボクシングのミット打ちなども導入する。

守備の名手から極意も吸収する。昨季の失策は8で、大和からは打球への入り方や足の使い方などを教わって、体に染み込ませる。昨季は二塁で98試合、一塁では26試合にスタメン出場した。「セカンドで1回から9回までずっと出られるように」と二塁手での全試合出場にも強い意欲を示した。【久保賢吾】

◆牧が狙う記録 2年目までにシーズン100打点は、新人で111打点の49年大岡(大映)と、同年の別当(阪神=126打点)71年門田(南海=120打点)の3人だけ。達成すれば51年ぶりで、セ・リーグでは初めてになる。新人年から2年以上続けて打率3割なら、58~61年長嶋(巨人)85~86年横田(ロッテ)98~99年の坪井(阪神)と高橋(巨人)に次いで5人目。右打者で達成すれば4年連続の長嶋に次ぐ快挙だ。また、2年目に首位打者は11年長野(巨人)まで9人。球団では横浜時代の00年金城以来になる。