今秋ドラフト候補の最速150キロ左腕、日体大・矢沢宏太投手(3年=藤嶺藤沢)が今季初の先発マウンドに立った。

9球団15人以上のスカウトが視察する中、5回を投げて1安打1四球無失点。毎回の9三振を奪い、最速は147キロをマークした。矢沢は「この冬は真っすぐでカウントを取る、質を上げるというテーマでトレーニングをしてきました。今日はその真っすぐが良かったです。いい投球ができたと思います」と、落ち着いた口調で振り返った。

初回は141キロから147キロの直球のみ11球を投じ、2三振と左飛に抑えた。2回以降は縦横2種類のスライダー、チェンジアップ、今年に入って投げ始めたフォークなど、緩急を駆使。奪った9三振のうち8つが空振り三振と相手打線に的を絞らせなかった。

視察した巨人水野雄仁スカウト部長(56)は「去年の松山(大学日本代表候補合宿)から見ていますけど、素晴らしい投手です。リーグ戦に入ればもっと強い球を投げてくるでしょうね。期待して、ずっと追い掛けていきたいと思います」と話した。ロッテ榎康弘スカウト部長(49)も「この時期であれだけ腕を振れるのは素晴らしいですよね。変化球で緩急をつけて三振も取れて。大学生レベルでは打てないんじゃないかなと思いますね」と評価した。