巨人坂本勇人内野手(33)が25日の中日との開幕戦(東京ドーム)を欠場することが23日、決まった。

上半身のコンディション不良で21日の楽天とのオープン戦最終戦(東京ドーム)を欠場。この日に左内腹斜筋筋損傷と診断され、3軍・故障班に合流した。坂本が開幕戦でメンバー外となったのは、08年のレギュラー定着後は初めて。大黒柱の主将不在というピンチで、V奪還を目指すシーズン開幕を迎える。

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開幕2日前の東京ドームに、坂本の姿がなかった。投内連係の練習で遊撃手の位置についたのは、広岡と湯浅。不動の背番号6は4年前に痛めた左脇腹を負傷し、ジャイアンツ球場にいた。診断結果は「左内腹斜筋筋損傷」で、3軍・故障班に合流。開幕戦を前に、無念の離脱となった。

いきなり訪れたチームの正念場にも、原監督は泰然自若としていた。「昨日よりはるかにいいらしい。軽くあってほしい。早めに戻ってこいよということですよね」と説明し、続けた。

「それも今年のジャイアンツよ。すべて受け止めて、前へ進ませないとね。最初っから、仮にそれをマイナスの材料とするようなスタートなら話にならない。幾多の苦難というか、逆風は吹いてくるわけだからね。逆風だって、ヨットは前に行くんだからな。そういう風に考えないと」

大黒柱の離脱は、痛い。だが、今季は屋台骨の主力ではない新顔の台頭に期待し、チームを生まれ変わらせるべく、キャンプから若手を1軍でもんできた。「楽しみなチームになる可能性をうんと持っているというのは言える。長所を引き出して、チームを前に動かしたいな。最初は自分の中では我慢がね(必要)。しかし、その我慢の中心には、希望しかない。勇人がいなくなるスタートを望んでるわけじゃないけど、これも『いと楽し』になるわけよ」。ピンチをチャンスに変え、前に進める覚悟は揺るがない。

幸い、長期離脱は避けられそうだ。坂本はランニングとキャッチボールで調整した。主将継続を直訴して臨む今季に懸ける思いは、人一倍強かった。本人のショックも計り知れないが「1日でも早く戻れるように、やれることをやっていきます」と気丈に話した。そう遠くない未来に、主将は万全で戻ってくる。それまでに新しい力が現れ、乗り越えられるか。開幕前にして巨人が迎えた正念場は、変革の絶好機にもなり得る。【浜本卓也】