新潟は福島に8-5と逆転勝ちした。4-5の7回2死満塁で熊倉凌二塁手(23)が走者一掃の逆転二塁打を放った。前日22日の信濃戦(2-7)の3番から、6番に降格したうっぷんをバットで晴らし、2安打4打点の大暴れだった。

打球の行方を目で追いながら、熊倉は雄たけびを上げた。4-5で迎えた7回2死満塁。フルカウントからの内角低めの直球に自然とバットが出た。「右方向を意識していたけれど、内角の球に体が反応した。打った瞬間、抜けると思った」。打球は左翼線に飛び、走者一掃の逆転二塁打になった。

橋上秀樹監督(56)は「あの一打で、いい流れになってくれれば」と今後の打線爆発に期待した。

「(相手マウンドは)昨年まで新潟にいた金子投手だったので絶対打ってやろうと思った」と熊倉は話したが、もうひとつ強い思いもあった。前日22日の信濃戦は3番打者を担い、4打数無安打。9回には代打を送られ、この日は6番打者に下げられた。「最近はチームに全然、貢献できていない」と降格に納得していたものの「代打は悔しかった」。鋭い一撃には、ありったけの思いが込められていた。

5回終了時のグラウンド整備の間、打撃好調な松島恒陽内野手(25)からレクチャーを受けた。「一塁に打つようなイメージで」という指示をもらい、2-3の6回2死二塁には同点の中前適時打を放った。「勢いだけじゃなく、頭は冷静に」。熊倉は打撃復調の手応えをつかんだ。【涌井幹雄】