日本野球機構(NPB)が26日、試合中にロッテ佐々木朗希投手(20)に詰め寄った白井一行審判員(44)の行為について「別の方法があった」と見解を示した。井原敦事務局長がオンラインで取材に応じ、明らかにした。物議を醸した24日のオリックス-ロッテ6回戦(京セラドーム大阪)での騒動について、試合後に審判団が友寄審判長を含めて検証。白井審判員は検証結果の指摘を受けて理解を示したといい、NPBは今後、処分は行わない。

<白井球審詰め寄るVTR>

24日オリックス戦の2回2死一塁、安達を2球で追い込んだ佐々木朗の3球目がボールと判定された。一塁走者の杉本は二盗に成功。佐々木朗が二塁方向から本塁方向へ向き直った直後、白井球審が厳しい表情で詰め寄り言葉をかけると捕手の松川が制止しようと間に入った。試合後、白井球審は「別に話すようなことはないんで」とノーコメント。井口監督は「球審はもっと冷静にやらないといけないと思いますし、当然判定に対しては何も我々は言ってはいけない」と話した。

◆公認野球規則の8・02審判員の裁定の【原注】には「ボール、ストライクの判定について異議を唱えるためにプレーヤーが守備位置を離れたり(中略)宣告に異議を唱えるために本塁に向かってスタートすれば、警告が発せられる。警告にもかかわらず本塁に近づけば、試合から除かれる」と記されている。

◆白井一行(しらい・かずゆき)1977年(昭52)10月3日生まれ。明石高から甲賀総合専門学校を経て97年2月1日にパ・リーグ審判部入局。00年8月8日オリックス-ロッテ18回戦(倉敷)で1軍初ジャッジ(三塁塁審)。昨年9月18日にNPB審判員で98人目、現役では18人目の1500試合出場を達成。昨季を終えて1523試合出場は歴代94位。18年のNPBアワーズでは「審判員の中で最も声が大きい」などの評価で審判員奨励賞を受賞。日本シリーズ出場は14、16、18、21年と4度。審判員袖番号は20。

○…日本ハム新庄監督が試合前、24日オリックス-ロッテ戦(京セラドーム大阪)で、白井球審がロッテ佐々木朗へ詰め寄り物議を醸したことについて、言及した。

「実績のある審判なんでしょ? 自信を持ってやっている。それも分かりますけど、あれだけ注目されている選手だからこそ、こらえて、後でイニングの合間に言ってあげるのがベストだったんじゃないかな? と」とした上で「絶対アンパイア。アンパイアがいないことには成立しないスポーツなので。どっちが悪いとかは、ないかな」と話した。

チームは今月17日、佐々木朗と対戦し、試合には勝ったものの、8回完全投球を許した。佐々木朗が25日に出場選手登録を外れたことで、しばらく再戦の可能性がなくなり「見たかったね」と残念そう。「そりゃ、疲れるよね。プレッシャーを背負ってやっている。なんなら3カ月くらい休んでもらって(笑い)」と、冗談交じりに話した。