全日本大学野球選手権(6日開幕、神宮・東京ドーム)に2大会連続3回目出場の和歌山大(近畿学生)は「日本一」奪取を誓った。金谷温宜主将(4年=創志学園)は「全員が目標を1つに。日本一を目指している」と意気込んだ。

6日の初戦は近大と対決する。金谷は「関西学生の王者」と警戒した。頂点を見据えた“イメージトレーニング”も敢行した。5月29日はナイン約30人が和歌山市の紀三井寺運動公園野球場で行われた高校野球の近畿大会決勝の運営に従事。入場券のもぎりや消毒など、裏方として働いた。数年前、大原弘監督(57)が運営の苦境を知り、サポートを決意。「野球王国和歌山でそれはアカン。地域一帯となって運営していこうということ」と説明した。

昨夏甲子園優勝の智弁和歌山と3月にセンバツを制した大阪桐蔭との熱戦だった。金谷は「学ばせていただくことが多かった。高校野球はキビキビ、ハツラツ。負けられない戦い。ワンプレー、1球への執念があった。負けられない気迫を見せていただいた。(29連勝していた)大阪桐蔭さんは負けなし。常勝軍団がどういう意識でやっているか」と話した。国立大の秀才集団は高校球児に学ぶ。

大原監督も「智弁和歌山さんは地元のチーム。日本一のチームを倒していく気持ちを感じ取れたと(選手は)言ってました。我々もこの大会の前。全国に行く強いチームをどう倒すか、一体感になる大事さを高校生から学んだ」と意義を口にした。和歌山大はノーサイン野球で昨年大会も出場し、初戦で九州産業大(福岡6大学)を撃破した。慶大(東京6大学)に2-4で惜敗したが存在感を示した。今年は、さらに上位進出へ。頂点に向けて、甲子園優勝校からもらったパワーを生かす。【酒井俊作】