日本文理大(九州地区北部)が接戦を制し、松山大(四国地区)に勝利した。3年ぶり10度目の出場で、初戦を突破した。

元投手の一振りで、試合の流れを変えた。0-0で迎えた6回2死二塁、5番・野元由翼(ゆうすけ)外野手(4年=佐世保工)は2球目の内角直球をとらえ、右中間へ先制2ランを放った。公式戦は通算3号で「自分がヒーローになって試合を決めてやると思って打席に立った。テレビで見たことしかない球場で打てて、表現できないくらいうれしいです」と笑顔で話した。

試合後、グータッチを交わした中村寿博監督(47)は「入学時からの成長を考えると、感慨深いものがある。次の試合がなかったら抱きしめたいくらいです」と喜んだ。

野元は、最速143キロ右腕として入学した。しかし、打撃のパンチ力を監督に買われて2年夏から野手に転向。肘のケガも抱えており「ケガをしたまま終われないと思った。野手でもう1度頑張ろうと思った」と再出発。自主トレでバットを振り、主軸を任されるように。全国の舞台で勝利に導く本塁打を放ち「すごく成長したと思う。次も自分が勝負どころで打って、試合を決めたいです」と意気込んでいた。