DeNA今永昇太投手(28)が、史上85人目、通算96度目となるノーヒットノーランを達成した。完全試合を達成したロッテ佐々木朗希、5月11日の西武戦で達成した東浜巨に次ぐ今季3人目の快挙。DeNAでは、大洋時代の70年鬼頭洋以来52年ぶり4人目で、札幌ドームでの達成は初めてとなった。

9回を無安打9奪三振の1四球。試合後のインタビューでは、「まさか自分がノーヒットノーランを出来るとは思わなかったですけど。何者でもない一投手の自分を、みんなが導いてくれました。ありがとうございました。9回は達成した後のことをイメージして投げました。その通りになってくれて、ほっとしています」と振り返った。

150キロを超える直球を軸に、カットボール、チェンジアップ、カーブと豊富な変化球を随所に交えた。3回には左打者の宇佐見へ外角151キロの直球、4回には右打者のヌニエスへの内角149キロで見逃し三振を奪うなど、コントロールも抜群だった。

0-0で迎えた9回の攻撃で、2死一、二塁から宮崎が先制&決勝の2点適時二塁打。待望の援護に今永は「ものすごくうれしかったんですが、ホッとしたら達成できない気がしたので、表に出さないようにしていました」と明かした。相手先発の加藤の好投もあり「加藤投手のテンポのいいピッチングにもつられて、ゼロに抑えることができました。1発を警戒しながら、打線にしないことを意識して、こういう結果になりました」とうなずいた。

6日の横浜スタジアムでの投手練習後、リーグトップの防御率0・98、同トップタイの6勝を挙げる同い年の阪神青柳の名を挙げながら、この日の登板への意気込みを語った。

「いいお手本がセ・リーグにいるので。ああいう存在になりたいです。勝つ上にプラスアルファを乗っけられるように」

今季は左前腕の炎症で出遅れたが、今季3勝目をマークし、自身の登板試合は5戦5勝。「勝つ上にプラスアルファ」をノーヒットノーランの快挙で有言実行した。

▽日本ハム松本剛(パ・リーグ首位打者も、3打数無安打で手が出ず)「高めの真っすぐが強いというのはベンチでも言っていました。そこは打ちにいってもファウルにしかならないという中で、そこを振りにいってファウルでカウント取られて低めの変化球を振らされた。投げきった投手が上だったかなと思います」

 

▼今永が今年の5月11日東浜(ソフトバンク)以来、プロ野球85人、96度目のノーヒットノーランを達成した。DeNAでは大洋時代の70年6月9日鬼頭以来、52年ぶり4人目。まだ達成投手がいない楽天を除くと、DeNAの投手がノーヒットノーランから最も遠ざかっていた。また、交流戦で記録したのは06年5月25日ガトームソン(ヤクルト)12年5月30日杉内(巨人)に次いで3人目。

▼今永が許した走者は2回、四球の清宮だけ。許した走者が1人で達成は18年7月27日山口俊(巨人)以来17人、18度目。走者1人だけで完封する「準完全試合」は今年の5月6日大野雄(中日=1安打)以来48人、51度目だが、DeNAでは今永が初めて。

▼今季のノーヒットノーランは4月10日佐々木朗(ロッテ=完全)5月11日東浜に次いで3人目。1シーズンに3人以上が達成は12年以来で14度目(最多は40年の5人)。3カ月連続で出たのは、95年の7月5日西崎(日本ハム)8月26日佐藤義(オリックス)9月9日ブロス(ヤクルト)に次いで2度目。

 

【ニッカン式スコア】7日の日本ハム-DeNA戦詳細スコア