6連勝の勢いはどこへ? 阪神打線が「日本生命セ・パ交流戦」のソフトバンク戦で先発レイに5安打で完封され、今季3度目の2試合連続0封負けを喫した。9回2死二塁から大山の遊撃への内野安打で一、三塁とし、ようやく三塁を踏んだ。だが、続く糸原は左飛に倒れ、またも左翼を埋めた博多の虎党に得点シーンを見せられなかった。

矢野監督は「無死二塁でも(中野)拓夢が何とか(走者を)進めるというか、そういう野球をしないとダメだな」と厳しい表情。4回無死二塁から中野、近本が連続の投ゴロで二塁走者が挟まれ、三塁へ進められなかった拙攻を悔やんだ。

今季62試合で早くも15度目の0封負け。6連勝中は絶好調だった5番大山が9回に9打席ぶりに安打を放ったが、4番佐藤輝は2試合無安打。得点源の4、5番がブレーキとなった。試合前練習で身ぶりを交えて佐藤輝に熱心に打撃指導した矢野監督は「いいポイントで振れている感じはあった。ちょっとよくなりつつというか、微調整というか」と懸命に出口を探した。

ヤクルトが勝ち、再びセ・リーグでの自力優勝が消滅した。4カード連続勝ち越しならず、交流戦でも首位のヤクルトには2差に広げられた。だが、まだソフトバンクと並び2位タイだ。10日からは京セラドーム大阪でオリックスと交流戦最後の3連戦。条件は厳しいが、初優勝の可能性がある限り「関西ダービー」は意地の見せどころだ。

優勝は争いはヤクルト、阪神、ソフトバンクの3球団に絞られた。矢野監督は「オリックスは投手がいいんで。競った試合になると思う。残り3つ。投手陣みんなが頑張ってくれると思うんで、野手が何とかやっていきます」と必勝を宣言。山崎福、山本、そして宮城と難敵が来るオリックスを倒し、浮上のきっかけにしたい。【石橋隆雄】

▼阪神は今季15度目の完封負け。年間34度のペースで、プロ野球最多の56年大洋(現DeNA)と東映(現日本ハム)31度を超える可能性がある。

▼2試合連続完封負けは今季3度目で、球団では11年の4度以来となった。62試合目までに3度記録したことはなく、球団ワーストの速さになった。

▼阪神はソフトバンクに1勝2敗で負け越し。12年以来4度目の勝ち越しはならなかった。ソフトバンクには通算26勝35敗4分けで、勝率4割2分6厘は交流戦対戦別で最も勝率が低い。

▼他力ながら、阪神は交流戦優勝の可能性を残す。条件は、10日から阪神がオリックス3連戦○○○のとき、(1)ソフトバンクがヤクルトに○○△なら無条件(2)ソフトバンクがヤクルトに○○●なら、阪神とヤクルトが12勝6敗で並ぶ。このときは交流戦の優勝決定規定に基づき、両チームの成績を比較して優勝球団を決める。

▼10日から阪神とソフトバンクがともに○○△の場合は、阪神、ヤクルト、ソフトバンクが11勝6敗1分けで並ぶ。このときも規定に従って3球団の成績を比較し、順位を決める。

▼阪神の自力優勝が再び消滅した。阪神は残りの81試合に全勝すると、最終成績は107勝35敗1分けで勝率7割5分4厘となる。一方のヤクルトは、阪神戦13試合に全敗しても他球団との残り71試合に全勝すれば108勝34敗1分けで勝率7割6分1厘となり、阪神を上回るため。なお、10日にも自力優勝が復活する可能性がある。条件は阪神○ヤクルト●の場合のみ。

○…青柳が今季2度目の中5日で10日のオリックス戦(京セラドーム大阪)に先発し、リーグ単独トップの7勝を狙う。同戦の先発は新人の16年6月15日以来、6年ぶり。勝ち負けはつかなかったが、5回無失点と好投した。ここまで6勝、防御率0・98、勝率8割5分7厘はいずれもリーグトップ。前回4日の日本ハム戦後に、「毎試合いい感じで試合をつくることができているので、継続したい」と話していた。逆転での交流戦初優勝へ関西ダービーの初陣も白星に導く。

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