ヤクルトが、4番村上宗隆内野手(22)の2打席連発となる19号逆転満塁弾でソフトバンクを破り、4年ぶり2度目の交流戦優勝を決めた。全カード勝ち越す「完全優勝」は3度目で、セ・リーグ球団初となった。

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昨季から継続する“高津流マネジメント”が、好調の要因の1つだ。投打ともに柔軟性のある起用と、選手管理により適度な休養を与えている。

11日現在、救援陣の防御率は1・85(先発陣3・35)、交流戦では1・42(同3・34)。昨季も日本一の原動力となったブルペン陣は、今季も抜群の安定感を誇る。連投は3試合までとし、守護神マクガフ以外の出番は流動的。相手を見ながら、7、8回は清水、今野を起用。高津監督が「切り札」という左腕の田口を要所で投入。梅野、木沢、コール、大西らも中盤で健闘している。一方で先発投手陣は中6日を基本としつつ、時にそれ以上の間隔で登板。42歳石川は中10日で起用され、結果を残す。

野手も同様だ。ここまで全試合先発は村上と長岡だけ。山田も5月27日からの楽天3連戦で欠場→DH→DHと“休養”し、次のロッテ戦での3試合連発につなげた。正捕手中村は下半身の張りから5月初旬に復帰も、高卒2年目の内山壮を引き続き併用。中村を休ませつつ若手が経験を積む、いい流れが出来ている。

またこの日もそうだったが、金曜ナイター翌日のデーゲームや、移動ゲームの試合前練習は、開始時間を遅らせて軽めにするなど、選手の負担を配慮する。シーズン序盤こそ5割前後の戦いが続いたが、5月以降は投打がかみ合いリーグ首位に浮上。その勢いは、交流戦に入ってさらに加速した。効果的な選手マネジメントが、今季も勝負どころでの粘り強さを生み出している。【ヤクルト担当 鈴木正章】

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