頼れる女房役が大きな先制点をもたらした。楽天太田光捕手(25)が28日、オリックス10回戦(ほっともっと神戸)で2回に左前適時打を放った。前カードで西武に3連敗していたチームにとって、23イニングぶりの得点。力投を続けた則本昂大投手(31)を、攻守に援護した。その後も9回に鈴木大、浅村の2者連続本塁打が飛び出すなど、逃げ切ってカード頭を快勝。連敗は3で止まった。

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沈黙していた楽天のスコアボードに、太田が久々の「1」を刻んだ。1回2死一、三塁。オリックス宮城の内角真っすぐをさばいて左前に運んだ。三走の銀次がかえる。先制。「追い込まれた中で、うまく反応できました。さんざんチャンスで打ててなかった。やっと打ててよかったです」と笑みをこぼした。

待望の1点だ。前カードで西武に3タテを食らった。2戦連続で0封負けし、22イニングもの間、1点も取れなかった。この回も前打者の辰己が三振に倒れ、苦しい状況。「何とか三振ではなく、前に飛ばして事を起こすように。意識して食らい付きました」。連敗している場面での登板が多い則本を、援護したかった。

リードでも貢献した。6回2死、走者を一、二塁に背負って打者は4番杉本。バッテリーは3球連続フォークを選択した。杉本は直前の打席で、内角ストレートを見逃し三振していた。則本は言う。「光と話して、真っすぐを張ってくるんじゃないかと。光のサインを信じて投げきったって感じですかね」。遊ゴロに仕留めて難をしのいだ。

則本が奪った10三振のうち、杉本を含む4つが直球見逃しだった。「真っすぐでの見逃し三振は、かなりキャッチャーの比率が大きいと僕は思う。ちゃんと応えられてよかった」。右腕は太田を信頼し、サインに首を振ることなく、構えられたコースに丁寧に制球することで応えた。

2回の先制機をつくった和田は、今季24打席目で初安打をマーク。さらにその和田と岡島が、外野からの好返球で失点を阻止した。石井GM兼監督は「守備もきっちりノリを援護してくれた」と納得の表情を浮かべる。試合前には「球場が変わって、流れも変えていきたい」と言っていた。風向きは確かに好転した。

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