シンデレラボーイ!! ヤクルト小沢怜史投手(24)が5回8安打3失点でプロ初先発初勝利を挙げ、優勝マジックを2つ減らして「51」とした。6月26日に支配下登録され同日巨人戦で1軍デビューしたばかりの横手投げ右腕。味方の大量援護にも助けられ、粘り強い投球で勝利を呼び込んだ。チームは54年8~10月の南海以来となる14カード連続の勝ち越しも決めた。

勝利投手の権利のかかった5回。2点を返され、なお2死二塁のピンチ。ソトを外角低めスライダーで空振り三振に仕留めると、グラブをポンポンと2度たたいて静かに喜んだ。初めての本拠地お立ち台に上がると「とてもうれしくてほっとしてます」と振り返った。右手につかんだウイニングボールは観戦に訪れていた両親に渡すという。「ここまで7年かかりましたが、ここからもっともっと活躍できるように頑張るので。これからも応援よろしくお願いします」と感謝を示した。

日大三島(静岡)から15年ドラフト2位でソフトバンク入団も18年オフから育成契約に。20年オフに戦力外となり、12球団合同トライアウトに参加してヤクルトに育成選手として入団した苦労人。移籍2年目でつかんだ大きなチャンスを見事にものにした。「今日は野手のみなさんに勝たせてもらった勝利。次こそはチームのために2勝目できるように頑張ります」とさらなる飛躍を誓った。【鈴木正章】

▽ヤクルト高津監督(初勝利の小沢に)「まだまだこれから、どんどんいろんな経験をして、いろんな失敗をして、次へ次へ生かしていけるチャンスを与えたいと思います」

◆小沢怜史(こざわ・れいじ)1998年(平10)3月9日、静岡県生まれ。日大三島から15年ドラフト2位でソフトバンク入団。17年8月24日西武戦でプロ初登板。18年オフに首の故障で育成契約。20年に戦力外を受け、21年からヤクルトで育成選手としてプレー。今年6月26日に支配下契約を結び、同日巨人戦で5年ぶり1軍登板。182センチ、83キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸600万円。

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