楽天とDeNAは28日、DeNA伊藤裕季也内野手(25)と楽天森原康平投手(30)の1対1の交換トレードが成立したと発表した。

DeNAは激しいAクラス争いに向け、中継ぎ陣の強化がポイントだった。今季、勝ちパターンの山崎、エスコバー、伊勢は盤石だが、伊勢、エスコバーはともに最多の45試合。接戦で起用されることが多かった田中健、クリスキーは故障によりファーム調整中で、リリーフで経験豊富な森原は補強ポイントに合致した。

一方で、野手は層が厚く、内野は三塁は宮崎、遊撃は大和、森、二塁は牧、一塁はソト、佐野と充実。伊藤裕はイースタン・リーグで打率3割、4本塁打、33打点と結果を残しながら、1軍でのチャンスは限られた。

楽天は右打者が不足。先発に定着しているのは、浅村と捕手の炭谷、太田にとどまる。オープン戦では和田恋がアピールに成功していたが、シーズンは不調。内田、岩見、オコエら、右の主軸候補たちも鳴りをひそめている。

投手陣には一定の手応えを持っている。宋家豪やブセニッツ、酒居など実績ある投手に加え、西口も安定した成績。ドラフト6位ルーキーの西垣は20試合で防御率1・89。渡辺佑や鈴木翔、弓削らの左腕も台頭してきた。若手が好調を見せる中、森原は1月に右肘クリーニング術を受けて出遅れたものの、今季3試合の登板にとどまった。

「リリーフ」を必要としたDeNAと、「右の主軸候補」を求めた楽天。双方の思惑が一致した形となった。

◆伊藤裕季也(いとう・ゆきや)1996年(平8)8月30日生まれ、三重県出身。日大三-立正大。立正大では4年秋の神宮大会決勝で決勝本塁打を放った。18年ドラフト2位でDeNA入団。19年8月10日、初スタメンの中日戦で2打席連続本塁打。182センチ、90キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸900万円。

◆森原康平(もりはら・こうへい)1991年(平3)12月26日生まれ、広島県出身。山陽-近大工学部-新日鉄住金広畑を経て、16年ドラフト5位で楽天入団。19年3月、メキシコとの強化試合で侍ジャパン代表。185センチ、88キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸3500万円。