“水入り”で潮目が変わった。楽天は終盤の逆転劇で、連敗を3で止めた。前日13日に貯金が消滅し、負ければ借金生活に突入する1戦。4回までに3点のリードを許した。本拠地楽天生命パークが静まりかえる中、試合開始後から降る雨脚も強くなった。6回2死走者なし、浅村の打席で試合が27分間中断した。

再開後、6回まで4安打無得点に封じられていた打線が奮起した。7回先頭の島内が左翼にソロを放ち、さらに無死二塁で辰己が右翼へ同点2ラン。流れをつかみ、8回1死三塁で浅村の右犠飛でひっくり返した。雨が悪い雰囲気を流し落としたか-。石井GM兼監督は「結果論でしょ。だって雨で中断後はチェンジになったので」と素っ気なかった一方で、「集中力を切らさなかったところ、すぐに試合に入っていけたところはよくやってくれた」と選手たちを評価した。

天が味方してくれただけではない。追う展開でも、辛抱強く戦った。3点リードの5回には酒居が、6回にはブセニッツが登板。指揮官は日ごろから「ビハインドで投げる投手こそ重要」と反撃態勢を作る投球を求める。だからこそ、勝ちパターンも務める2投手を投入。さらに宮森、西口、松井裕とつなぎ、勝利をつかんだ。石井GM兼監督は「粘り強くやっていけば、今日みたくひっくり返せることもある。目の前の試合に、ちゃんとフォーカスしていきたい」。どんな状況にも諦めず、1つ1つの勝利にこだわっていく。【湯本勝大】

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