阪神が泥沼の6連敗でBクラス4位に転落した。14日の中日戦(京セラドーム大阪)は、5回に31イニングぶりとなる得点を奪って4-4の同点に。しかし、9回に守護神・岩崎優投手(31)が踏ん張れず、痛恨の勝ち越し点を奪われた。この日連敗を7で止めた首位ヤクルトとの差は10ゲームに開いた。

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岩崎の投げた球は、跳び上がって必死にミットを出す梅野のはるか上に噴き上がった。同点の9回1死一、三塁。中日は代打木下が1ボール2ストライクからスクイズの奇襲を仕掛けてきた。岩崎は外そうとしたのか、抜けてしまったのか、記録は重盗だが、とんでもない暴投で決勝点を与えた。矢野監督も「オレにはちょっと分からん。その(外そうとした)可能性はあると思うけど」と、話すしかなかった。

今季3度目の6連敗で、借金は3に。巨人に抜かれ7月22日以来の4位に転落した。5回にロハスの7号3ランなどで一気に4点ビハインドを追いつき、6回から浜地を投入する継投策。だが、4失点でサヨナラ負けした6日広島戦から中7日と休養十分なはずの岩崎が2戦連続失点、2戦連続敗戦投手となった。矢野監督は「悪くないとは思う。でもとらえられているということは、すごくいいということでもないのかな」と、状態について話した。配置転換について問われると「いやいや、今終わったばかりで決められへん」と、含みを持たせた。

初回から3イニング連続で併殺打の拙攻。守りでも5月19日ヤクルト戦以来の今季最多タイ3失策でリーグ最多の71失策となった。ガンケルのけん制悪送球と遊撃手山本の一塁悪送球は、いずれも失点につながった。「うーん、点を取るところも、もちろんそうやし、最後の向こうのビシエドの守備とか、球際とか」と、9回の相手一塁手の美技を引き合いに、失策だけでなく二塁手糸原のグラブをはじいた3回の阿部の適時打や三塁手佐藤輝のグラブをはじいた9回大野奨の内野安打など球際での差が出た。9試合連続失策に「何とかせな、あかんね、うん」と嘆いた。

来週は再び神宮、東京ドームと遠征に出る。順調なら新型コロナウイルス陽性から大山が復帰できるが「帰ってきたからって、10日間何もしてないのに、すぐに試合復帰はできひんやろ」と、まだ時間がかかりそうだ。主力が離脱し急降下が続く。首位ヤクルトとは10差に広がった。「やるしかないよね。(試合は)待ってくれないんで。頑張ります」と自分に言い聞かせるように話した。【石橋隆雄】

○…中日戦4戦負けなしだったガンケルがは5回7安打4失点(自責2)と踏ん張れなかった。3回に自らの失策も絡み2失点。5回には中日先頭土田のゴロを遊撃山本が一塁に悪送球。その後1死一、三塁で後藤に中越え二塁打を打たれた。「前回登板と同じく、低めに制球ができずに強い打球を打たれる場面が多かった。幸いにもチームが同点に追いついてくれて感謝しているよ」と振り返った。

○…「7回の男」に定着している浜地が6回に登板した。直前の5回に一挙4点で同点。矢野監督は同点にもかかわらず、前倒しで勝ちパターン継投を選択した。5日ぶりの登板となった右腕は「追いついた直後だったので仕切り直して1からリズムを作るという気持ちでした。3人で抑えられてよかったです」。速球主体でわずか6球。ベンチの期待に応えた。

○…湯浅が主力を圧倒した。阿部は150キロ台の直球で押し、フォークで空振り三振。ビシエドは直球3連投で右邪飛。平田も直球で一邪飛にしとめた。連敗中だったため浜地と同様に5日ぶりの登板。「久しぶりだったけど、テンポよく投げられた。またアツアツな投球ができるように準備したい」。名前の京己(あつき)にちなんだ定番コメントで振り返った。

▼阪神の6連敗は今季3度目。3月25日ヤクルト戦~4月3日巨人戦の開幕9連敗、4月6日DeNA戦~同14日中日戦の6連敗(1分け挟む)以来。また同一カード3連戦3連敗は、前カード8月9~11日DeNA戦に続き今季8度目。

▼夏の長期ロード期間中の京セラドーム大阪での同一カード3連戦3連敗は、11年8月16~18日広島戦以来、11年ぶり。

▼阪神は1回から3イニング連続で計3併殺打。1試合3併殺打は今季最多タイで、8月12日中日戦以来5度目となった。なお3イニング連続の併殺打は、21年5月4日ヤクルト戦の1回糸原二併、2回梅野遊併、3回サンズ遊併以来。

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