二刀流が打撃で躍動した。今秋ドラフト上位候補の日体大・矢沢宏太投手(4年=藤嶺藤沢)が、秋季リーグ戦前最後のオープン戦で代打本塁打を放ち、順調な調整ぶりをアピールした。試合は日本製鉄鹿島に1-2で敗れた。

先発投手だった矢沢は、予定されていた2回を1安打3四死球、押し出しの1失点で降板した。立ち上がりに課題を残す結果となったが、8回1死にオープン戦の特別ルールで代打出場。2球目の変化球を右翼席へ運んだ。矢沢は「変化球を狙っていました。詰まったんですが、この球場の大きさであれば入るかなと。(投手としては)これからリーグ戦に向けて、立ち上がりの工夫が大事になってくる」と課題の対処を目指す。

31日には大学日本代表の一員として、高校日本代表との壮行試合に出場する。夏の甲子園で活躍した顔ぶれが並ぶ相手メンバーの中で、特に気になるのは近江の山田(はると)陽翔投手(3年)。「日体大にもお兄ちゃん(優太投手)がいますし、同じ背番号1同士ということで勝負したい」と、心待ちにする。

9月3日に首都大学野球・秋季リーグが開幕。学生最後のシーズンを迎える。日体大・古城隆利監督(53)は「(投手としては)出来れば完投して欲しいと思っている。ゲームへの入りを考えて、調整してもらいたい。(野手としては)外、外という厳しい配球になると思う。そこに対応できるか」とポイントを挙げた。リーグ優勝、ドラフト1位指名へ-。勝負の秋が始まる。