阪神が悪夢の7失点で、2位DeNAに逆転負けを喫した。1点リードの5回に先発の藤浪晋太郎投手(28)が2つの暴投で同点と勝ち越しを許し、メル・ロハス・ジュニア外野手(32)と中野拓夢内野手(26)が左翼の飛球をお見合いし、2点打にするなどまさかの大量失点。シーズン最終盤にふがいない戦いで、敵地横浜で7連敗。11日にも優勝の可能性が完全に消滅する。

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矢野阪神に、Aクラスを争う緊張感など全くなかった。悪夢の7失点。1点リードの5回は、自滅、自滅、また自滅で白星をあっさりと手放した。敵地横浜でまさかの7連敗。2位DeNAを追い上げるはずが、5差に開いた。11日にも、優勝の可能性が完全に消滅する。矢野監督は「もう球場とか、そんなこと言ってられへんからね。今日みたいなこんな試合、見せたくないんで。この悔しさを持って、どれだけ明日やれるかというところだと思う」と吐き捨てるように言った。悔しさを晴らそうにもシーズンは残り13試合しかない。指揮官の言葉もむなしく響いた。

目を覆いたくなる5回の大量失点だった。先発藤浪が代打オースティンに、2つの暴投で同点と勝ち越しを許した。矢野監督は「走者を出したところでどう粘るか、よくなってきているからこそ、そういうところをしのげるものが必要」と指摘。さらに1死満塁で、おなじみの拙守が飛び出した。3番佐野の打球が左翼に打ち上がった。遊撃中野とロハスが追ったが、「お見合い」の状態で、打球は弾んだ。平凡なフライが2点タイムリーとなり、さらに傷口を広げた。「難しい(打球)といっても、使っているオレが悪いんだけどね。まあ、そう受け止めています」と指揮官は渋い表情。5番で起用したロハスは4打数無安打と沈黙。2番手加治屋も流れを止められず、今季ワーストとなる1イニング7失点となった。

打線も乱調の上茶谷を攻略できず、初回の2点だけに終わった。4回の時点で2度リクエストに失敗。すべてが空回りして、結果は完敗だった。「初回も2点より3点、2回、3回で最低でも1点。あそこで1点でも取れれば流れが来たと思う」と矢野監督は話すが、後の祭りだ。

3位を争う広島、巨人が敗れたため、CS圏はキープしたが、ふがいない戦いが続けば、あっという間にBクラス転落だ。10日にはドラフト1位森木がプロ初勝利をかけ、2度目の先発に臨む。19歳の右腕に頼るな! 主力選手の意地が見たい。【石橋隆雄】

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