ロッテ佐々木朗希投手(20)が9勝目を挙げ、自身初の2ケタ勝利に王手をかけた。ただ「勝ち星にあまり一喜一憂するのは投手としてなかなかメンタル的に難しいところがあると思うので。そこよりも、まずは自分にできる仕事をやった上で付いてくるものだと思うので」と派手なことは言わなかった。

疲労回復のため、中11日での先発。首脳陣も5回での交代を想定した。その中で試合開始21秒後、いきなり快音を食らった。日本ハム1番木村に先頭打者本塁打を被弾。本塁打、中前打、左飛、右前打と4者連続で外野に飛ばされたあたりからギアチェンジ。「直球を張ってきている中で、今日の直球の状態だとなかなかいつも通りいかないなと思ったので」。スライダーなどの比率を増やし、「どうにか直球を速く見せながら投げようと思いました」と能力をフル回転。4安打6三振でまとめ上げた。最速は降板直前に3球投じた159キロだった。

1年のゴールが見えてきた。「まずはケガなく1年間最後まで投げきることを目標にしながら、次も調整したいなと思います」と見すえる。前半戦13試合で324球投げた160キロ台は、後半戦6試合では14球にとどまる。万人受けの派手さはないものの、この夜も人知れず打ち立てた。ストライク率81%。これは大船渡高3年時以降の公開された60試合では自己最高値となる。新たなすごみを示し、Aクラスを必死に目指すチームに価値ある白星をもたらした。【金子真仁】

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