広島がDeNAに逆転勝ちして4位に浮上した。先発の大瀬良がリードを守れず降板したが、打線が奮起。0-1の6回に西川、松山の適時二塁打で逆転。2-3の7回には5安打を集中して3点を奪い、再逆転した。離脱者、不調者が相次ぐ中、代役出場した羽月が決勝打を放った。佐々岡真司監督が掲げる“つなぎの野球”で3位阪神に1.5ゲーム差とした。

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逆境を跳ね返す意地が逆転につながった。大瀬良が2-3と逆転を許した直後の7回だ。先頭の小園が安打で出て、続く会沢の適時二塁打で追い付くと、2死三塁から羽月が外寄りの球に食らいつき三遊間を破った。さらに西川、マクブルームの連打でリードを広げた。先制点を奪われても、逆転を許しても、広島打線が“つなぎの野球”で接戦をものにした。佐々岡監督は「逆転された次の回につないで、うちらしい攻撃」と胸を張った。

離脱者、不調者が出る中、この日は試合前に先発予定の上本にアクシデントが発生。打球を受けたことで急きょ先発から外れ、代わって羽月が二塁で先発した。思わぬアクシデントが選手起用にも影響。同点とした7回無死二塁から会沢に代走を出さなかった。代打菊池涼の犠打で三塁に進めても動かず、2死と追い込まれた状況で若手が応えた。佐々岡監督は「反対方向に意識があったと思うし。いい仕事をしていると思う」とたたえた。

逆転でのクライマックスシリーズ(CS)を狙うチーム状況は苦しい。秋山はコンディション不良で離脱しており、菊池涼はまだ万全でなく、8日の中日戦を最後に先発から外れている。マクブルームを16日ぶりに4番に戻し、代打の切り札だった松山を5番に置いた。4月5日巨人戦以来、今季2度目の左翼での起用だった。指揮官は「打線(のつながり)を考えながら松山を入れた」と説明。松山は6回に左中間へ一時勝ち越しとなる二塁打を記録した。マクブルームは1点を勝ち越した後の7回2死一、三塁からコンパクトなスイングで左前適時打。リードを2点に広げる価値ある一打だった。

今季52度目の2桁安打で4位に再浮上。3位阪神には1・5ゲーム差とした。離脱者が出ても、アクシデントが起きても、チーム一丸で劣勢のCS争いに立ち向かっていく。【前原淳】

○…大瀬良がリードを守り切れなかった。1回に先頭からの連打で先制を許すと、2回以降は追加点を許さなかった。だが、チームが逆転した直後の6回。2死走者なしから宮崎に二塁打を浴び、続くソトに内角を狙ったカットボールが甘くなり左翼席へ逆転2ランを運ばれた。「あの1球だけ。それまでは粘り強く低めに集めたりして、ヒットは打たれながら粘り強く投げられていたと思います」。失投を悔いた。

○…2番手森浦が3勝目を手にした。大瀬良が逆転を許した6回2死二塁から登板。森から空振り三振を奪うと、直後に打線が逆転して勝ち星が転がり込んできた。「2死だったので、ワンポイントとしてしっかり腕を振って投げた。いい場面で投げさせてもらっているので、しっかり準備して投げたい」。10日ヤクルト戦の白星や、13日阪神戦のホールドと試合中盤に起用されて相手の攻撃を断つ好投が光る。

▽広島羽月(7回に決勝の左前適時打)「本当、食らいついただけです。期待されているかどうか分からないですけど、期待されてたらうれしいですし、それに応えようと必死に頑張るだけです」

▽広島蔦木トレーナー(先発予定だった上本について)「練習中に下半身に打球が当たったので、出場を見合わせました。明日以降については様子を見て判断します」

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