ロッテが痛恨のサヨナラ負けを喫した。9回2死二、三塁、5番手東條が日本ハム上川畑にサヨナラ打を浴びた。勝率5割復帰に失敗し、混沌(こんとん)のCS争いからも1歩後退した。

勝てる流れが、1球で霧散した。0-2から8回表に4-2と逆転に成功。その裏は唐川侑己投手(33)が4番手でマウンドに上がった。2死後に清宮に安打を許すと、6番アルカンタラを追い込みながら、勝負にいったカットボールを右翼席へ運ばれ、同点2ランとされた。

唐川は11日楽天戦(楽天生命パーク)の8回に小深田に逆転3ランを浴び、それ以来の登板。しかし再び痛恨の1球となった。井口資仁監督(47)は「最後の球が高く浮いて長打っていう、そこだけは、ってところですけどね」と悔しさを押し殺しながら冷静に話した。

8回を任せてきたゲレーロが故障で離脱。井口監督によると「厳しいと思います」と今季中の復帰は黄信号な状況。「ゲレーロが抜けてから、なかなか定まらないというか、いる人でやるしかないので」と8回をやりくりしているが、抜群の安定感を誇る守護神オスナにつなげず、白星を逃している。

日本ハム伊藤に抑えられた打線は、8回に茶谷の安打を皮切りに一気に4点を奪い、逆転した。敵失も絡んで、適時打から一気にホームインした井上を、ベンチ全員で盛り上がって迎えた。7回裏には、ピンチを脱した3番手益田が、野手全員をベンチ前で迎える姿があった。

それだけに痛い1敗。残り12試合で借金2。井口監督は試合前に「ずばぬけたチームがなくなってきてというのが1つはあると思いますし、戦力もだいぶ均衡してきているのかなと思いますけど。こういうのを考えると、やっぱり1年間通してもったいない試合もいっぱいあったなというのをあらためて感じます」とパ・リーグの混戦状況に言及していた。

この日もまさに、もったいない黒星。唐川は8回の3アウト目を取っても、マウンドからすぐには動けなかった。【金子真仁】

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