国学院大が日大に勝利し、7勝3敗として、勝ち点で並び勝率で首位に立った。日大は勝ち点を落とし優勝の可能性が消えた。

2回1死二塁から相手失策で1点を先制すると、5回には2死二塁から宮田蒼太内野手(4年=関東一)の右前適時打で追加点を挙げた。6回には1点差に詰め寄られるも、7回に押し出しで1点、9回には1死二塁から3連打で2点を挙げ、粘る日大を突き放した。

投げてはドラフト候補に挙がる最速153キロ右腕、田中千晴投手(4年=浪速)が、初回から力のある真っすぐと変化球でテンポよく投球し、5回を投げ3安打無失点に抑えた。「今日は球速よりも打者をしっかり抑えることを考えた」。この試合の最速は148キロながら、110キロ前後の緩いカーブで緩急をつけ、奪った三振は6。「自信をもって投げられました」と、初めての中1日での登板もしっかり試合を作り、中継ぎ投手につなげた。

今春は、シーズンを通して調子を維持することができなかった。夏は1日3時間の投げ込みで、体力を強化しフォームも安定した。「今日は球のキレに手応えがありました」と1試合ごとに成長をつかんでいる。

試合を視察した日本ハムの山田正雄スカウト顧問は「変化球が低めに決まっている。真っすぐも変化球もいいし、制球もまとまっている。体重移動がすごくいい。体重がしっかり左足に乗っているし、リリースポイントも安定。もっと体力をつければスピードは上がるんじゃないかな」と評価した。

優勝の可能性は国学院大、青学大、中大、亜大の4校に残されており、国学院大は最終週となる次週(亜大戦)で2連勝すれば他校が及ばないため優勝が決まる。田中千は「任されたところを0点に抑えるのが自分の役割。今までやってきたことを出せればと思います」と、落ち着いた口調で話した。