プロ野球の快記録や珍記録を振り返る連載「データで見る22年」。第2回は日本ハム加藤貴之(30)を取り上げます。

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加藤は四球を11個しか与えなかった。1、2球目がボールでカウント2-0になったのは51度あったが、簡単には歩かせなかった。1試合2個が最多で、1イニングに2個は1度もない。これまで規定に到達した投手のシーズン最少与四球は38年秋の田中(名古屋)と50年野口(阪急)の14個。試合数が少ない1リーグ時代にも与四球が11個以下はおらず、加藤がプロ野球最少記録をつくった。9イニング当たりの与四球数を示す与四球率は0・67となり、こちらも50年野口の0・69を抜いてプロ野球新記録だ。

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加藤は得点圏での被打率が2割7分。今季、規定に到達した両リーグ19人の中では2番目に悪いが、防御率は両リーグ3位の2・01。得点圏の被打率が悪くても防御率が良いのは与四球が少ないおかげ。走者なしで6個、走者一塁では1個もなかったため、得点圏に走者を背負う機会が減った。得点圏に走者を置いて対戦した打者数は2リーグ制後の規定に到達した投手では20年大野雄(中日)の73人に次いで少ない81人だった。結果、被打率2割7分でも失点は少なかった。

制球力の良い加藤は投球数も少ない。4月19日楽天戦は90球で完封など、1イニング平均13・32球。今季、両リーグで規定に到達した投手の1イニング平均投球数は、13球台1人、14球台1人、15球台9人、16球台7人、17球台1人。加藤が最少で、2番目に少ないのが大野雄の14・92球。投球数が少なかった今季は3完投し、先発した21試合の平均投球回数が6・98。規定に到達した中では山本(オリックス)の7・42回に次ぎ、両リーグで2番目に長いイニングを投げた。【伊藤友一】