日本ハムの4番野村佑希内野手(22)が新球場エスコンフィールドでのチーム1号を放った。3回2死一、三塁。西武松本の内角直球を左翼外野席手前のブルペンまで運ぶ先制3ラン。本来の三塁ではなく、DHでの出場が続いているだけに、主砲としてバットでの結果にこだわる。

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新球場の歴史に刻まれる1発は、4番野村のバットから生まれた。3回2死一、三塁。左翼へ運ぶ先制&決勝の3ラン。ホームチーム用のホームラン演出が初披露される中、ダイヤモンドを回った。開幕前に掲げた「エスコン1号」の公約を実現。ヒーローインタビューでは「1本目は1人しかいない。4番として打てたことは良かった」と振り返った。

DHでの出場が続くが、起用法は気にしていない。「ボスの考えもあると思いますし、実際にDHになって調子が上がっているので、そこはチームが勝てる形で使ってもらえれば」と淡々と語った。4番として、チームを勝たせる打撃ができることに集中している。「守っていても打たないと試合に出られないので、状態をもっと上げていけるように」。3番清宮と5番万波の好調もあり、クリーンアップが機能してきた。「流れがいい。誰かが打たなかったら誰かが打って、3人で1点ずつもぎ取っていきたい」と、主軸としての自覚を新たにした。

登場曲はこの試合からBiSHの「PAiNT it BLACK」に変更して臨んだ。「諦めることを諦めて」という歌詞に自身の姿を投影している。万波が好んで聴く曲を選んだ。オープン戦で思うように調子が上がらない中、レギュラーをつかみ切れていなかった万波と食事に行く機会があり、その際に「話の中で出てきた曲」だった。シーズン前の不調から一転、序盤戦でともに調子を上げているだけに、縁起のいい曲になりそう。「打てなくなるまでは使おうかなと思います」。覚醒を予感させる1発を発奮材に、主砲としてアーチを量産させるつもりだ。【石井翔太】

◆エスコンフィールドの本塁打 公式戦では開幕戦の3月30日に楽天伊藤裕が、日本ハム加藤貴から放った本塁打が記念の第1号。同日に楽天フランコ、4月1日に楽天辰已が記録している。4試合目での野村の本塁打は通算4本目だった。オープン戦では4試合目の日本ハム今川の一撃が初アーチ。同日には日本ハム清宮、万波、ソフトバンク・アストゥディーヨが記録。3月2日の日本ハム紅白戦では清水、江越が1発を放っている。

■清宮5戦連続安打、新庄監督絶賛

とにかくバットが振れている。打撃絶好調の清宮が、5試合連続安打となる2安打1打点。新庄監督も「ずーっといい。見逃し方がいい」と大絶賛だ。第1打席の右飛は強烈なライナー。清宮は「ホームラン行けよ! って感じでしたけどね」と悔しがったが、「捉えられてはいたので、そこは紙一重。いいイメージで(2打席目以降も)打席に入れた」。着実に進化中だ。

■水野が先発で2安打

2年目の水野が今季初昇格即スタメン出場で2安打を放った。2回、第1打席の初球を右前打すると、4回1死一塁では中前打で追加点をお膳立て。試合前に新庄監督から「チャンスは今。力んでもいいことないよ」と背中を押された。水野は「真っすぐに振り負けないよう(2軍で)やってきた成果。いい感じの手応えで、ホッとしている」と、新球場でのデビュー戦を振り返った。