「大樹生命月間MVP賞」の3、4月度受賞者が11日、発表され、パ・リーグの野手では西武中村剛也内野手(39)が選ばれた。

打率3割6分4厘、7本塁打とベテランの技術が凝縮された一打も多かった。しかし、会見で印象的な打席や一打を問われると「あんまりないですね、すみません」と話した。

山川不在の4番でのイメージには「あんまり考えていないです」と、好調の要因は「特にないです」と、昨年との体の動きの違いを「あんまりないです」と淡々と答え続けたベテランに、若手が多くプレーした3、4月の西武はどう映ったか。チーム全体の印象的な出来事を尋ねた。

「えーっ…?」

10秒少々上を向いて考えると「あっ」と発した。

「西川愛也がヒット打った」

会場が笑う。西川愛也外野手(23)の1軍での987日ぶり、63打席ぶりの安打を挙げた。

「そうっすね。そういう、ヒット打てない打席とかはすごく経験があるんですけど、あんなに長いことはないので」

その過程で何かアドバイスをしたのかという問いに「全然ないです」と笑いながら即答し「『おっ、愛也がヒット打った!』って思いました」とおかわり君スマイルで笑った。

若手のプレーを楽しそうに話すのもまた、中村のチーム内での存在感の大きさを感じさせる。スタメン出場しない日もベンチで若手たちに交じってどっしり座り、彼らの打席後に会話するケースも目立つ。源田が不在、一時的には山川もいなかった苦しい時期での頼もしさ。月間MVPにふさわしかった。【金子真仁】