ロッテ「カメレオン打線」の“体色”が、母の日モードでピンク色に変わった。

相手やチーム状況によって先発メンバーを変え、今季34戦で34通り目。この日は和田、友杉、藤原と“俊足種”3人を初めて9番から2番まで並べた。吉井監督も「外国人投手のスライドステップが甘いところがあるので足を使いたかった」と満足げだった。0-2の3回には和田、友杉が連続盗塁。ピンクスパイクを履いた藤原の二塁適時内野安打、ピンクバットの中村奨の中犠飛でともに生還し、同点に追い付いた。

“希少種”が生まれたのはこの直後だ。2死一、三塁から体重115キロの“巨大種”井上が、自身5年ぶり2度目の二盗に成功。相手捕手の悪送球を誘発して勝ち越した。「ホームランよりうれしい。前回は3-2からだったので、ちゃんとバッテリーと勝負したのは初めて」とニンマリ。5300グラムで生まれ、おたふくソース、ケチャップ、バターを混ぜたソースをかけた母特製巨大ハンバーグで育った。「お母さんに連絡したら、『ええもん見られた』って喜んでくれるかな」と感謝の表情に変えた。

4回には打撃手袋やバットなどをピンクに彩った田村がスクイズで加点。8回にも左犠飛。「守っている自分にとっても大きな点。母には迷惑いっぱいかけたので野球で活躍して恩返ししたい」。打って、走って、バントして…。攻撃も多彩に変化させたカメレオン打線だった。【鎌田直秀】

◆ロッテカメレオン打線 相手投手との相性、選手個々の状態、データなどを分析しながら打線を組む吉井監督流で、開幕からの先発オーダーは全試合異なる。環境で体の色を変えたり、擬態で防御する爬虫(はちゅう)類「カメレオン」のようなことから命名。日本爬虫類両生類協会も「カメレオンは舌で捕食するヒットマンですからバットでボールを捉えることと同じ部分もある」と注目中。

日本ハム伏見(3回に井上の二盗を防ごうとするも二塁へ悪送球。勝ち越し点を許し)「井上さんの単独スチールなんて、絶対にあり得ないと思っていた。もっと強いボールを投げれば良かったんですけど、フワッと投げてしまった」

▽ロッテ・メルセデス(巨人時代の昨年6月4日以来、17試合、344日ぶり勝利投手でロッテ加入後初白星)「長かったんですけれど、自分がやれることをやっていればこの日が来ると信じていた。(日本語で)アリガトウゴザイマス」

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