日本ハムが今季2度目の3連勝でついに4位浮上だ。新庄剛志監督(51)がデザインした赤黒の襟付き“ヒーローユニホーム”をビジターでも着用し、この日もヒーローが生まれた。

指揮官が「パーフェクト」と絶賛した左腕エースの加藤貴之投手(30)だ。中5日で先発し、8回無失点で3勝目。加藤貴は「(伏見)寅威さんの配球通りに投げて良かった」。淡々と振り返ったが、珍しい“ミス”も乗り越えての快投劇だ。

有名なことわざに「弘法にも筆の誤り」があるが、加藤貴にも腕の誤り…があった。1回2死から四球を与え、4月21日楽天戦から26回連続与四死球0が途切れた。2回2死二塁ではプロ8年目、通算3395人目の打者で初めてボークを取られた。冷静沈着なサウスポーはレアシーンが続いてもスタイルは変わらない。

加藤貴 僕は球も速くないし、三振も取れる投手ではない。どんどんストライクゾーンに投げることだけ意識して投げている。僕の中では大胆に、打たれるのを怖がらないで。打たれても次、抑えればいい。

先日の散髪の際には大胆に「僕の美容師にお任せで」と、人生で初めて髪を青色にイメチェンした。お気に入りかと問われても「僕は別に…本当にお任せでやったので」と、プライベートから何事にも動じない強さでシンプルな信念を貫き、18回連続無失点。無双状態の左腕エースの活躍で、チームも上げ潮ムードだ。新庄監督は「上を上を目指すだけ。1勝ずつね。ありきたりのコメントでスミマセン」と苦笑いも、「不気味なチームだと思いますよ」と、不敵な笑みを浮かべた。【木下大輔】