第1回早慶戦が開催された1903年から120周年の節目。コロナ禍前の19年春と同じ、2万6000人の観客が神宮に戻ってきた。早大は、代打の島川叶夢(かなむ)内野手(4年=済々黌)の3ランで先勝を挙げた。小宮山悟監督(57)は「前半にしのいだおかげで、後半に流れがくると予測できた。島川はきちっと仕事をしてくれると期待を持っていた。ちょっと出来すぎですね」と喜んだ。

2点を追う4回2死一、二塁で小沢周平内野手(2年)が適時二塁打を放ち、同点に追いついた。

2-2の7回1死一、二塁、代打島川が3球目の131キロを完璧にとらえて左越え3ランを放ち、勝ち越した。昨春の法大戦で、初打席初本塁打を放って以来のアーチが、劇的な決勝弾。「次の1点が試合を左右する場面を任されたので、自分がもぎとってやろうという気持ちでした」。大歓声がわき上がる中でダイヤモンドを一周し「こういう環境の中で野球をできているのが、ありがたい」と話した。

先発の加藤孝太郎投手(4年=下妻一)は立ち上がりは制球に苦しみ2点を先制されたが、徐々に調子を取り戻した。6回を9安打2失点。2番手の斎藤正貴投手(4年=佐倉)が1回を無失点に抑えて今春初勝利。「加藤が粘っていたので、自分がいい流れを切らないようにと思っていた」と話した。