疲労困敗!? セ界首位の阪神が「日本生命セ・パ交流戦」でパ最下位の楽天に完敗した。甲子園で延長12回5時間超えドローを演じたロッテ戦一夜明けは、仙台での移動ゲーム。攻撃陣は疲労もあったのか、先発則本らに1得点に抑えられた。岡田彰布監督(65)は不振が続くシェルドン・ノイジー外野手(28)に「もう辛抱できひん」と先発外しを明言。仙台、北海道と続く敵地6連戦初戦は黒星発進となったが、ムチを入れて再進撃を期す。

    ◇    ◇    ◇

5時間超えの激闘ナイター一夜明け、阪神はほぼ見せ場なく半分の2時間38分でゲームが終わった。苦手の則本を打ち崩せず、右腕先発時はこれで通算1勝4敗。パ・リーグ最下位の楽天に屈し、仙台、北海道と続く6連戦の初戦を落とした。連勝は2でストップ。岡田監督は一切言い訳せず、はっきりと断言した。

「疲労? そんなん関係ないやんか。そんなんコンディション良かったらみんな勝てるんか? そんなん関係あらへん。周りがそう思てるだけで、試合はお前、勝つと思てやってるわけやから、そんなもん」

実際は疲労困憊(こんぱい)で敵地に乗り込むナインが多かったのも確かか。日をまたいで帰宅した選手も多くいる中、午前10時発の便に乗るため、伊丹空港に集合。「寝たのは2時過ぎてからかな…」とつぶやく選手もいた。先発マスクをかぶった坂本は、機内でも楽天打線の研究のため、タブレットを片手にしていた。同11時15分ごろ、あっという間に仙台空港に着陸。時は待ってくれない。

疲労を考慮し、試合前の練習時間が短縮された。宿舎でのミーティングも練習に合わせて遅らせ、通常のビジターより約30分遅い午後4時過ぎに練習開始。野手は屋外でのフリー打撃は行わず、希望者のみが室内で打撃を行った。投手陣に加え、一部野手陣がキャッチボールやノックで2年ぶりに訪れたグラウンドを確認。約半分の30分で通常練習を切り上げ、そのままシートノックに入った。

初回に先制打を放った大山の話題となると、指揮官は「ちゃんとストライクを打つ人間と、もうボールを打ってる人間と(いる)」と厳しく指摘。「もう俺も辛抱できひんからな。はっきり言うてな」と険しい表情で言った。ボール球に手を出し続けていたノイジーについて「立っといたら全部フォアボールやんか。そんなんお前、何十回目よ」とばっさり。「辛抱できひん=ノイジー」とみられ、スタメン外しは決定的だ。

2日のロッテ戦(甲子園)が天候不良で5日に振替試合が組まれたことで始まった試練の9連戦。“岡田のカツ”投入で、7日はスカッと勝ちたい。【古財稜明】