阪神佐藤輝明内野手(24)が「日本生命セ・パ交流戦」の楽天戦で2本の三塁打を放ち、チームを勝利に導いた。3回1死満塁から走者一掃となる先制の3点適時三塁打を放つと、5回にも三塁打。楽天田中将大投手(34)を攻略した。スタンドで見守った祖父勲さん(84)、祖母美智恵さん(84)に最高の「祖父母孝行」になった。

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試合後、勲さんは「佐藤輝明」とプリントされたタオルを振りかざしていた。ヒーローインタビューで孫は「目の前で打ててよかった!」と言った。活躍が何よりもうれしい。

勲さんは「(調子が)下向きだったからね。これをきっかけに上がっていってほしいね」と願い「オーバーフェンスが見たいね。まだ明日もあるから」と代名詞の本塁打を求めた。

祖父から孫へ、アドバイスも送っていた。「もっと初球から振っていけって言ってるんだけどね」。ただ、「じいちゃんはそう言ってるんだけどね。あの子は頭かたいから(笑い)。頑固だからさ(笑い)」と苦笑い。それでも結果で応えた孫は、やっぱり頼もしい。

宮城・村田町在住。2年前の仙台での交流戦も現地観戦した。スタンドから茶封筒に包んだ小遣いを渡そうとすると、「いいよ、いいよ」と照れ笑いで断られた思い出がよみがえる。

「(小遣いは)今年はないよ」と勲さん。「贈り物はよく、いろいろと送ってくれる。お菓子とか、お茶が好きだから私はお茶を、家内(美智恵さん)には花なんか送ってくれるよ」。成長した孫に目を細める。「石の上にも3年じゃないけど、何とか上向きに、順調に進んでほしいなと思ってますけどね」とエールを送った。

美智恵さんは「空港に降り立った時にね、メールくれたんです。空港に降りましたって。優しい子なんです。もう少し強い子になってほしいんですけども。それがプレーに出ますからね」とさらなる成長を願う。「昨日もネット裏にいたんだけど、手を挙げたら応えてくれた。喜んで帰らせてもらって」と、2人は孫の活躍に笑顔だった。

【動画】阪神佐藤輝明が先制の適時三塁打 観戦に来た祖父母も拍手送る